企業を支えるバックオフィスとは?職種や重要性、効率化のポイント

2021年02月24日
著者:

企業の根幹を支えるバックオフィス業務。
企業の利益を直接的に生み出すことはあまりないかもしれませんが、企業の成長を支える、いわば「縁の下の力持ち」です。
バックオフィスの業務内容は多岐にわたりますが、共通しているのは「組織にとって必要不可欠」であり、全従業員が円滑に業務を遂行できるようサポートする仕事だということ。
そこで今回は、バックオフィスの意味や該当する職種、業務効率のポイントまでを紹介します。バックオフィス改革を考えている中小企業の経営者・総務の方はぜひ参考にしてください。

バックオフィスとは

バックオフィス(Back office、business administration)とは、その名の通り「ビジネスを支える」仕事です。経理、総務、人事などの役職を指すことが多く、営業や顧客対応する「フロントオフィス」の対義語です。ときには「間接部門」や「経営管理」と呼ばれることもあります。

近年では、テレワークの環境整備や働き方改革に伴う労働時間管理など、業務範囲はさらに広がっています。また、従業員や顧客の個人情報、財務データなど、膨大な数字情報や社外秘の情報を取り扱うことも多く、企業運営においてなくてはならない部門です。

バックオフィスに含まれる職種とは?

バックオフィス業務に該当する職種にはどのようなものがあるのでしょうか。具体的な仕事内容とともにご紹介します。

バックオフィスに含まれる職種①:人事

人事は、人材採用や従業員の育成、配置、評価など、「人」にまつわる業務を行う部門です。自社が求める人材を発掘・採用し、育て、従業員のモチベーションを高めて、会社の成長につなげることが主な役割です。

会社説明会の実施、採用面接、新人フォロー面談など、人と関わる業務が多い部門ではありますが、企業の基盤づくりを担うことからバックオフィスに分類されています。

STEP2:バックオフィスに含まれる職種②:労務

労務は、従業員が安心して働けるような環境づくりを担う部門です。給与計算や勤怠管理、福利厚生対応、入社・退職の手続き、保険関係の手続きなどを担当します。

全従業員に関するデータを扱うことも多く、労働トラブルが発生したときの対応も行うため、正確さや判断・処理能力が求められます。

バックオフィスに含まれる職種③:財務・経理

財務・経理は、企業のお金にまつわる重要な業務を担います。

経理は、企業の収入・支出を記録・管理し、会社のキャッシュフローを把握します。具体的には、伝票作成や帳簿処理、従業員への給与の支払い、給与明細の作成などが仕事です。

財務は、資金調達や資産運用なども担当します。金融機関との折衝なども業務の1つになります。

どちらもお金にまつわる業務だからこそ、正確さが求められます。

バックオフィスに含まれる職種④:法務

法務はその名の通り、法律関係を扱います。

具体的には、社内規定作成、契約、取引における契約内容や条文の確認などがあります。近年では企業のコンプライアンスが重要視されており、事業活動がきちんと法律に則っているか監修することも大事な役割です。訴訟対応も法務部門が担います。

バックオフィスに含まれる職種⑤:総務

総務は、社内のすべての部署と関わりを持つ数少ない存在で、会社組織を円滑に運営するためには欠かせません。

仕事内容は会社によっても様々で幅広いのが特徴です。備品管理、会議や社内イベントの企画運営、従業員の健康管理、株主総会の運営、オフィスづくり、セキュリティ対策、あるいは社内外からの電話やメールの応対、名刺発注、書類のファイリングや管理、データ入力といったデスクワーク全般など、バックオフィス業務の中でも仕事内容は多岐にわたります。

中小・ベンチャー企業では複数の業務を担うことも

大企業では専門の部署で管轄される業務も、中小・ベンチャー企業においては、人事が総務を担っていたり、労務と総務を手分けして行っていたりする場合があります。また、経営者が経理業務を担当していたり、フロントの仕事をしながらバックオフィスの業務をこなすこともあります。

バックオフィスの重要性・やりがい

バックオフィスと言うと、「何でも屋」「成果が見えにくい仕事」など、ネガティブなイメージを持つ方も多いのではないでしょうか。確かに、実際にお客様と関わる営業やプロダクトを開発するエンジニアなどと比べると、バックオフィスの仕事は目立たないこともあります。

しかし多くの従業員の窓口となり、企業活動を滞りなく行うためには欠かすことのできない、非常に重要な部門です。

例えば、総務部門が備品の管理を行わず、従業員がそれぞれ自分で手配しなければいけなかったらどうなるでしょう。手配するための時間や手間がかかったり、必要なものがすぐ手元に届かず、業務を円滑に行えなかったりするかもしれません。営業活動に費やせる時間が削減されてしまうことも考えられます。

つまり、バックオフィス部門こそ従業員が快適に働ける環境をつくり、企業経営を支える存在なのです。多くの従業員から頼られ、間接的にも企業成長に関わっていることがやりがいとも言えます。

バックオフィス業務効率化のメリット

バックオフィス業務は企業経営にとって重要である一方、業務量が多く人手や工数がかかってしまうことが多いのも事実です。バックオフィス業務を効率化することにより、様々なメリットがあります。

従業員を他の業務にアサインできる

バックオフィス業務の効率化により、余った時間を他の戦略的な業務に費やせるようになります。その結果、効率化ができない戦略策定や企画部分に注力できたりと、より企業経営に貢献できる業務に携わることができるでしょう。

人件費の削減につながる

今までバックオフィスが行っていた業務を、クラウドサービスやアウトソーシングを活用することで、前述のような戦略的な業務に従事できるだけでなく、人件費・工数削減につながることもあります。また、ITを活用して自動化することでミスを減らすといった効果も見込めます。

従業員のモチベーション向上になる

単純作業ばかり行っていると考えているバックオフィスの従業員の負担を減らすことができれば、モチベーション向上も期待できます。誰でもできる業務ではなく、自身の強みを発揮できる業務に集中できれば、意欲が増し組織活性や離職率低下にも繋がる可能性もあります。

バックオフィス業務効率化の3つのポイント

ここまでの解説で、バックオフィス業務を効率化することで、その他の部門は本来の業務にもっと集中できるようになったり、労働環境が改善されたりと様々なメリットがあることがわかりました。バックオフィス業務における効率化によりいかに生産性を向上させるかは、企業にとって大きな課題です。

そこで今、注目を集めているのが、デジタルトランスフォーメーション(DX)です。「AI(人工知能)」「RPA(ITによる業務自動化)」などの技術革新によって、生産性向上やコスト・工数削減を実現できるようになりました。

バックオフィス業務を効率化するには、解決したい課題は何かを明確にすることです。その結果、「いかにオンラインで業務を完結できるか」「従来のペーパー業務をどうやってデジタル化していくか」と解決に向けたプロセスが浮き彫りになり、着手することができます。決して、ツール導入が目的にならないように注意するようにしましょう。

①:バックオフィス業務系クラウドサービスを活用

近年ではバックオフィス業務をサポートするクラウドサービスも増えています。
クラウドサービスを利用すれば今まで手作業で入力していたものが自動で行えるようになるなど、業務負担の軽減につながります。
また、クラウドサービスは、他の様々なサービスと連携できるのも大きなメリットです。

例えば入退室管理システムと勤怠管理、給与計算サービスを連携できれば、従業員が入室・退室した時間を自動で記録し、勤怠管理に活用することで、それをもとに給与計算することもできます。 この他にも、インターネットバンキングや行政のオンライン申請サービスなどを取り入れることもおすすめします。
効率化させたい業務を明確にし、自社の環境に合ったサービスをうまく組み合わせて活用しましょう。

②:電子申請などペーパレス化を推進

例えば経理業務1つをとっても、発注書、請求書、納品書など、書類管理が多いのが特徴です。

しかし、紙で管理するとファイリングしたり、必要なときにすぐに取り出せなかったりと余計な工数が発生してしまいます。保管のためのスペースも必要になります。

しかし、2020年10月1日から電子帳簿保存法が改正され、よりペーパーレス化を実施しやすくなりました。

ペーパーレス化を推進すれば、書類の管理コストはもちろん、紙や印刷のためのトナー代、郵送費など経費削減にもつながります。保管場所のスペースをとることもないですし、電子ファイルにラベリングをしておけばいつでもどこからでも必要な書類をすぐに参照することも可能です。テレワークが普及している中で、わざわざ書類業務のために会社に出社しなければならないということもなくなるでしょう。
ペーパーレス化実現のためには、クラウドシステムなどのIT環境を整備する必要がありますが、同時にそれを社内で活用するための「社内周知」や「運用ルール設定」が重要です。まずはお試しで始めてみる、一部の部署でトライアルを行うなど徐々に導入していくようにしましょう。

③:社内イントラの整備やチャットボットの導入

バックオフィス部門が意外と時間を費やしてしまうのが、「他部署からの問い合わせ」対応ではないでしょうか。そこで社内イントラネット(社内イントラ)を充実させることも業務効率化の一手です。従業員から問い合わせが多い内容をFAQとしてまとめたり、各種申請フローを一覧化しておけば、担当者不在でもすぐに解決できるというメリットもあります。

しかし、社内イントラをいくら充実させても、億劫で検索しないという従業員もいるかもしれません。

そこで、社内イントラだけではなく、チャットボットでよくある問い合わせに対応できるようにしておくのも有効です。チャットボットは設定しておけば、会話形式で自動的に進んでいくので、従業員の疑問をスムーズに解決できます。
一方で、社内イントラやチャットボットは事前準備、導入コストの問題もあるため、課題を明確にした上で導入を検討するようにしてください。

バックオフィスを理解し、効率化を検討する

バックオフィス業務はとても幅広く、どれも企業を運営する上で欠かせないものばかりです。仕事内容を理解しておくことで、適切な人材を採用したり、効率化のためのツールを検討したりと、企業の業務改革にも役立ちます。

バックオフィスについて理解を深めビジネス全体の生産性を高めるための方策を検討してみてはいかがでしょうか。


関連記事 この記事を読んだ方へおすすめ







「akerun(アケルン)入退室管理システム」に関する資料

資料ダウンロード

「Akerun入退室管理システム」導入を検討されているお客様に
製品・サービスの特長をご紹介します。

3分でわかる!
資料ダウンロード