Akerunで部外者の立ち入りと患者の離院・離棟を防止。低コストでの入退室管理の強化により侵入トラブルがゼロに
医療法人徳洲会 成田富里徳洲会病院
目的 / 効果
- 外部からの不正な侵入を24時間体制で防止して安心・安全な施設運営を実現
- 厳格なゾーニングにより入院患者の離院や離棟を防止
- 一般の来院者エリアに面する薬剤室や書類保管庫などのセキュリティ強化
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外部からの不正な侵入を24時間体制で防止して安心・安全な施設運営を実現
病院の概要や特色について教えてください。
A. 成田富里徳洲会病院は、医療法人徳洲会グループに属する大規模病院です。
「生命だけは平等だ」という徳洲会の理念のもと、地域に根ざした医療機関として設立10年目を迎えました。母体となる徳洲会も昨年で創立から50周年を迎えており、海外での透析センター設立支援や医療機器寄贈なども多く実施しています。
医療機関としての特徴は、「救急患者さんを断らない」という理念に則って救急病院として2・3次救急を多く受け入れていて、年間で5000件ほどの患者の救急受け入れを行っています。3次救急指定病院は近隣に2施設あり、当院は2次救急を主に受け入れていますが、コロナ禍では3次救急レベルの受け入れも行ってきました。この病院の大きな役割もそこにあると考えています。
Akerun入退室管理システム(以下、Akerun)を導入する前の課題はどのようなものでしたか?
A. 外部からの不正な侵入の防止と、患者さんの離院や離棟の防止。この2つのセキュリティ上の課題に対応するために「セキュリティシステムを導入しよう」という方針になったことが導入の大きなきっかけです。
このエリアは駅前ということもあって、酩酊した部外者が勝手に敷地や施設内に入ってきてしまうことが時々ありました。もちろん当時から24時間の警備体制は敷いていましたが、警備員さんが患者さんを案内している際など、どうしても警備が手薄になるタイミングがあります。そこを増員などでカバーしようとすると、警備体制を大きく見直すことになり、人件費がかさんでしまいます。
また、セキュリティを高める目的は、もうひとつありました。それは入院患者さんの離院や離棟の防止です。これはどの病院でも抱えている課題かと思いますが、警備の隙を見て、勝手に病院の外に出ようとする患者さんが多くいます。特に認知症の患者さんなどは、すぐに見つけることができないほど遠くまで歩いていってしまうこともあり、そのような事態への対策が必要だと痛感していました。
外部からの不正な侵入の防止と、患者さんの離院や離棟の防止。この2つのセキュリティ上の課題に対応するために「セキュリティシステムを導入しよう」という方針になったことが導入の大きなきっかけです。その後、インターネットなどで実績あるシステムを探している中で、Akerun 入退室管理システムと出会いました。
病院という施設柄、セキュリティ対策は重要ですよね。それまでは物理的な鍵で管理していたのでしょうか?
A. そうです。権限に応じてスタッフに物理的な鍵を渡したり、病院に出入りする業者さんにも必要に応じて鍵を渡したりしていました。
トラブルはそれほどありませんでしたが、特定の部屋の鍵の所在がわからなくなって、シリンダーごと交換したりといったことは稀にありましたね。その際も、マスターキーも含めた鍵の交換・取り替えになるので、費用も毎回高額でしたが、Akerunの導入後はこのような鍵交換の費用もなくなりました。また、物理鍵は長時間の貸し出しはしない運用にしていたので、毎日の返却や管理が面倒という声は院内からもたびたび上がっていました。
実際に、Akerunをどのように運用されているかについてお聞かせください。
A. 患者さんの離院などの予防や、外来の方も行き来できる場所にありながら部外者が侵入してはいけない部屋の保護にAkerunが役に立っていると思います。
シリンダー/サムターン錠に設置するAkerun Proを約40台、自動ドアと連動させるAkerunコントローラーを約20台設置しています。主にAkerun Proは個室のサムターンに後付けで導入し、Akerunコントローラーは職員用の通用口などに設置されている自動ドアに後付けで導入しています。
すべての階の職員用エレベーターの出入口にAkerunコントローラーを設置していて、登録されたカードを持っていない限りは職員用エレベーターのエリアに出入りできないようにゾーニングすることで、患者さんの離院などを予防しています。個室は院長室、看護長室をはじめとして、機密情報や現金が置いてある医事課に加え、備品庫や薬剤室など、外来の方も行き来できる場所にありながら部外者が侵入してはいけない部屋に設置しています。また、院内にはCTやMRIなどの高額な医療機器も多くありますので、それらを保護するのにもAkerunが役に立っていると思います。
鍵に関してはNFCカードキーを1,000枚以上運用していて、その中には予備のカードキーと出入りする業者向けのカードキーも含まれています。スタッフに関しては、カードキーにネームをプリントして、職員証も兼ねています。当初、スタッフからのクレームや問い合わせも想定していましたが、実際の稼働後は一切そういった問い合わせもなく、まるで最初から導入されていたかのようにスムーズに運用できています。
Akerunの導入による効果などは実感されていますか?
A. 導入時に目的としていたセキュリティに対する効果は大きく、部外者の侵入や患者さんの離院や離棟といったトラブルは、導入以降まったく起こらなくなりました。
カードを不正に入手しようとしても、警備室での申請を通過しない限りできないので、この病院に不正に入ることは不可能になりました。
また病院という施設には、薬剤室や患者様の個人情報などを保管する書類保管庫など、取り扱いを厳重にすべき備品や情報が大量に保管されているエリアもあり、またそれらの部屋の一部は一般の来院者の方もアクセスできる場所にあります。侵入の防止や離院・離棟の防止だけでなく、そうしたエリアにもAkerunを導入することでセキュリティも高めることもできたと思います。また、更衣室や休憩室など、女性スタッフが利用する機会の多い場所は、特に手厚く設置しています。
また、導入後に、Akerunで入退室ログも取得できることを院内で積極的にアピールしたことで、院内における盗難や不正行為の抑止にも効果があったと思っています。
さらに、入退室ログにより、職員の出入りの多い部屋や場所を可視化できるようになるなど、運用状況や利用状況がよくわかるようになりました。今後、セキュリティ以外のAkerunの活用方法を検討する際にも、この入退室ログが有効な資料になると考えています。
加えて、Web管理ツールのAkerun Connectもシンプルで使いやすく、管理者がどこにいても臨機応変に遠隔での操作なども行えています。
Akerun ProとAkerunコントローラーを合わせて約60カ所への設置という大規模な導入をしていただいています。導入時の懸念や心配事、導入時のサポート体制はいかがでしたか?
A. 費用面でも、エリアの変更に対する柔軟性という面でも、クラウド型のAkerunが持つメリットは大きいです。
私は設備関係の仕事に長く携わってきているので、当初「無線のシステムは有線のシステムに比べて確実性に劣る」という考えを持っていました。しかし、この規模の病院で有線のシステムを導入しようと思えば、大規模な配線工事が必要になり、莫大な費用が必要になります。また病院は、用途変更による引っ越しやフロア/レイアウト変更が頻繁に発生するので、有線型のセキュリティシステムが向いていないということもあります。費用面でも、エリアの変更に対する柔軟性という面でも、クラウド型のAkerunが持つメリットが大きかったのです。
導入から数年が経っていますが、驚くほど問題なく、ノートラブルで動作しています。私自身も「無線の製品でも信頼性の高い製品を選べば問題がない」という考えに変わりました。フォトシンスのサポート体制も素晴らしく、担当してくれている方のお人柄がとてもいいので、導入にあたっての心配も払拭できました。
こういうシステムは、導入時はすごく丁寧なのに、導入後のサポートはそれなり、という企業もけっこう多いんです。フォトシンスは、導入後も不明点などにすぐ回答してくれますし、まるでこの病院を自分のことのように考えてサポートしてくださっているのがよく伝わってきます。フォトシンスのサポート体制は大手企業と比べてもすごいと感じています。
今後、Akerunを使って実現しようとしていることや、製品に対するご要望はありますか?
A. 今後はクラウド上に記録されているログの活用も検討していきたいと思っています。
現時点では入退室管理やセキュリティに使用していますが、今後はクラウド上に記録されているログの活用も検討していきたいと思っています。すべての出入りや在室状況が記録されているので、「この部屋には、これほどたくさんの出入りがあるんだ」など、意外な発見をすることもあり、設備管理計画の観点からも裏付けとして利用できます。
また今後、Akerunが空調や照明と連動できると便利かも、と考えることがあります。これほど部屋数が多いと、照明や空調の消し忘れって頻繁に起こるんですよね。Akerunで入室時刻や退室時刻をあらかじめ設定しておいて、入室時には自動的に部屋が涼しい状態になっている、といったことができると便利だなと思います。
医療法人徳洲会 成田富里徳洲会病院
2015年に千葉県富里市に設立した徳洲会グループの大規模病院。「生命だけは平等だ」の理念のもと、「いつでも、どこでも、誰でもが最善の医療を受けられる社会」を目指す徳洲会グループの総合病院として、年間5000件ほどの急患を受け入れるなど、大型の医療拠点として地域医療に貢献している。一方で、ロボット支援手術システムや複数のレーザー治療器を導入するなど、先進医療にも取り組む。