コワーキングスペース活用のメリット・デメリット。多様な働き方に対応する方法

2021年04月19日
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近年、会員制のオープンスペースで設備を共有しながら業務や作業を行う、「コワーキングスペース」が増えています。このような場所は、フリーランスをはじめ個人で仕事をする人が活用する所というイメージもあるかもしれません。しかし働き方改革やテレワークの推進によって、企業で働く人達にも活用されています。
ここではコワーキングスペースについて、どのようなメリットやデメリットがあるのかを考えてみましょう。

コワーキングスペースでより自由な働き方を

コワーキングスペースは、フリーランスや個人事業主、在宅勤務の会社員など、場所に縛られない働き方をしている人々が利用する共有型オフィスのことです。2005年頃、起業家が集まる米国サンフランシスコから始まり、日本国内では2010年代から広まったと言われています。
コワーキングスペースでは、利用料金を支払えばWi-fiをはじめ、コピー機やスキャナー、モニターなど通常のオフィスと同様の設備が揃っています。ドリンクや軽食も用意されている場合もあり、長時間じっくり滞在できる環境も整えられています。会議室などのミーティングスペースが設けられている場合、打合せや商談の利用も可能です。
またコワーキングスペースには、さまざまな業種や業界で働く人々が集まるため、仕事の枠を越えた交流も行われています。イベントや交流会を実施しているコワーキングスペースもあります。

コワーキングスペースとシェアオフィス、レンタルオフィス、サテライトオフィスの違い

それぞれどのような違いがあるのでしょうか。

コワーキングスペース
初期費用・月額費用で利用可能。利用者同士の交流を目的としている。フリーアドレス形式が多い。また、1日利用/時間利用の利用プランを用意しているところもあります。

シェアオフィス
主に初期費用・月額費用で利用可能。複数の会社で仕事場をシェアする。フリーアドレス形式が多い。

レンタルオフィス
一般の貸事務所よりもコストを抑えられる。複数の会社で仕事場をシェアするか、個室を貸し出す場合も多い。

サテライトオフィス
一般の貸事務所よりもコストを抑えられる。企業が本社・支社とは別に、ワーキングスペースを設けるために設置するケースが多い。

企業も推奨するコワーキングスペースの活用

最近では企業でも、テレワークをはじめ場所にとらわれない働き方が注目されています。コワーキングスペースの活用もその一つの手段となっています。

コワーキングスペースを利用する大きなメリットの一つは、通勤時間の短縮です。また場所を制限せず業務を遂行できる点もメリットです。例えばコワーキングスペースを会社で契約した際、数名の社員がコワーキングスペースを利用することにより、プロジェクトの編成や進行にも柔軟に対応することができるでしょう。
新型コロナウイルス感染症拡大の影響もあり、テレワークが推奨されはじめたこともコワーキングスペースに注目が集まっている理由です。

またコワーキングスペースでは、さまざまな業界で働く人と出会うことができるため、コラボレーションが生まれる可能性もあります。企業が生き残るうえでは、時代の先を読んだイノベーションや斬新なアイデアが必要です。コラボレーションによって、従来のイメージを覆すビジネスが誕生することも考えられます。
新たな働き方が普及していくことで、今後は固定の事業所を置かない企業ももしかしたら増えてくるかもしれません。

コワーキングスペースのメリットとは

コワーキングスペースの活用方法は多種多様です。多様な働き方を実現するコワーキングスペースのメリットとはどのようなものがあるのでしょうか。

メリット①:業種を越えた人脈の形成

フリーランスのように一人で仕事をしていると、新しい情報を得る機会がなかなかありません。また企業に勤めていても、社内の固定メンバーで仕事を続けていると新しいアイデアが出にくいこともあります。コワーキングスペースでは、さまざまな人と交流ができ、業種や業界を越えた交流が可能です。共有オフィスという場所を最大限に生かし、アイディアが生まれる場になってくれるでしょう。

メリット②:インフラが充実しているオフィス確保も低コストで

オフィスを最初から立ち上げようとすると、設備や経費が必要になります。コワーキングスペースは、そのような仕事場の設置にかかるコストを抑えることができます。利用頻度によって料金プランも設定できるため、メインオフィスとしても、サブオフィスとしても利用可能です。また会議室が併設されているところもあるので、その都度静かな場所を探す手間や費用も省くことができます。

メリット③:スキルアップにつながるイベントやセミナーの開催

コワーキングスペースでは定期的にイベントが開催されています。さまざまなワークショップや勉強会、セミナーに参加すれば、自分のスキルアップにもつながります。独学では得ることのできない知識や技術を得ることができ、自身のスキルや知識を高めたい人には絶好の場所と言えます。

コワーキングスペースのデメリットとは

一方コワーキングスペースでは、注意すべき点があります。ここではコワーキングスペースのデメリットについても考えてみましょう。

デメリット①:機密情報の取り扱いに注意

オープンオフィスという性質上、個人情報や解禁前の情報の取り扱いは十分に注意しなければなりません。机上の資料はもちろんですが、会話の内容も気をつける必要があります。絶えず人の行き来があるため、席を外す際も、パソコンにスクリーンセーバーをかけるなど、セキュリティ面に配慮した対策が求められます。

デメリット②:作業スペースの広さには限りがある

一人分の作業スペースには限りがあります。特に混雑している時は、十分なスペースが確保できないこともあります。可能であれば、事前にどれくらいの作業スペースがあるのか、チェックしてから利用するといいかもしれません。コワーキングスペースはあくまでも他人と共有する場所です。スペースを占領することは避け、スマートに利用しなくてはなりません。

デメリット③:人の出入りが多く、集中できない可能性も

コワーキングスペースは基本的に会話はOKです。そのため、業務に集中しようとしても、周りの音・声がうるさくて気が散ってしまう可能性もあります。そのため、利用者の業務効率が落ちるといったデメリットも考えられます。集中して作業する場合には、個室利用、在宅などより効率的な場所を検討する必要があるでしょう。

企業がコワーキングスペースを選ぶ際のポイント

コワーキングスペースを選ぶ際は企業にとって必要な機能を備えているか判断することが大切です。企業が重宝する機能として、下記2点を考えると良いでしょう。

ポイント①:駅近や利用者の家の近くなどアクセスの良さ

いくらコワーキングスペースを契約しても、利用しにくい場所であれば意味がありません。わかりやすい場所にあるのか、駅から違い場所があるのか、最寄駅は便利な路線なのか、と従業員が利用しやすいかどうかを踏まえる必要があります。

ポイント②:打合せに集中できるセキュリティの整った空間があるか

ミーティングやクライアントとの打ち合わせにレンタル会議室やカフェを使うこともあるでしょう。しかし都度会議室をレンタルしたり、カフェで席を確保したりでは手間がかかります。
コワーキングスペースにセキュリティが整った専用の打ち合わせスペースが用意されていれば、機密情報があったとしてもミーティングを行うことができますし、完全にビジネスに集中できる空間も確保することもできます。

ポイント③:利用したいときにスペースは確保できるか

コワーキングスペースは交流を目的にすることも多く、たくさんの人が利用します。せっかく企業が契約しても、いつも混雑して利用できなければ意味がありません。特に利便性が高い場所だと、常に満員で好きな時間に利用できなかったということもあります。
そのため、従業員がストレスなく利用できるスペースはあるのか、混雑状況はどうなのかを事前に確認することが大事です。

コワーキングスペースの今後

この記事ではコワーキングスペースの概要、メリットやデメリットについて述べてきました。今後、多様な働き方が普及していくにつれて、ますますコワーキングスペースは活用されていくでしょう。近年では、賃貸マンションの共有部分を利用したり、自治体が主体的にプロデュースしている場所もあり、コワーキングスペースのスタイルも多様化しています。
働き方が見直される昨今、コワーキングスペースの活用も視野に入れてみてはいかがでしょうか。


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