フリーアドレスのデメリットとは?失敗の原因と対策

2022年11月30日
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はじめに

時代の変化によってこれまでの固定概念に捉われない快適な職場づくりを目指し、フリーアドレスの導入を検討されている経営者や労務人事の方もいることでしょう。

フリーアドレスとは、従業員に固定の座席を設けず、その時々の状況に応じて空いている席を自由に選択し、利用できるオフィススタイルのことです。

リモートワークやフレックスタイム制といった柔軟な働き方にも対応しやすく、限られたスペースを効率的に有効活用できる方法として注目を集めています。

ところが一部の企業ではフリーアドレスの導入に失敗し、廃止するというケースが出ています。これはフリーアドレスのデメリットを理解せずに導入してしまったことなどが原因です。

フリーアドレスのデメリットを理解せずに導入してしまうと、フリーアドレスの効果を十分に発揮できないどころか、従業員から不満が出たり生産性の低下につながったりして、離職率や業績にまで悪影響を及ぼす可能性があります。

そこでこの記事では、フリーアドレスのデメリットや失敗の原因から、フリーアドレスの効果を最大限発揮するために行うべき対策について解説します。フリーアドレスの導入をご検討中の経営者や担当者の方は導入前にぜひお読みいただき、参考にしてください。

この記事で分かること
  • フリーアドレスのデメリットと失敗の原因
  • フリーアドレスに必要な対策と導入方法
  • フリーアドレスを実施する効果(メリット)

フリーアドレスのデメリット

はじめにフリーアドレスの導入で起こりうるデメリットをご紹介します。フリーアドレスの導入で懸念される主なデメリットは以下の通りです。

  • 帰属意識が薄まる
  • コミュニケーションが取りにくくなる
  • 個人の荷物管理が難しくなる
  • セキュリティ対策がとりにくくなる

帰属意識が薄まる

フリーアドレスにすることで、会社への帰属意識が薄まるというデメリットがあります。 従来のように自席があり、所属部署の上司やチームメンバーが近くにいると、自分の居場所であることを意識しやすく、「この仲間と同じ目標に向かって仕事をしている」という帰属意識が高まります。

しかし、フリーアドレスにすると社内に自分専用のスペースがなくなり、上司や同僚との距離が遠くなることがあるため、帰属意識が薄まりやすいというデメリットが起こるのです。

帰属意識があると所属部署や会社を動かしていく当事者としての意識が保たれやすいですが、帰属意識が薄まると仕事へのモチベーションが下がってしまう可能性があります。

コミュニケーションが取りにくくなる

フリーアドレスにすると、いつも同じ席に従業員がいるわけでないため、コミュニケーションが取りにくくなります。

フリーアドレスでなくても仕事で声をかけるときは「相手の仕事の邪魔にならないか」と気を遣うものですが、フリーアドレスになりいつも同じデスクにいない状況になると、「より話しかけづらい」という心理が働き、声をかけるハードルが上がることがあります。

チームと円滑にコミュニケーションを取らないまま仕事を進めてしまうと、後になって認識違いが判明し、仕事のやり直しが発生するなどの問題が起こります。コミュニケーションが図りづらい環境は、時間と労力を無駄にしてしまうというデメリットにつながります。

個人の荷物管理が難しくなる

フリーアドレスにすると自席がないため個人の荷物管理が難しくなるという問題が起きます。

個人の鞄や貴重品、仕事で使用する書類や資料、メモ、日常的に使用する文房具、個人のマグカップなどの置き場にも困る状況が発生します。また、郵便物が届いた場合、宛先人に届けることが難しくなるという問題も起こります。

たとえばフリーアドレスの職場で重要なメモを失くしてしまうと、紛失場所が特定しにくく、仕事に支障をきたす可能性や情報漏洩につながるリスクも起こり得るのです。さらに個人の荷物の置き場所がないため紛失してしまうといった問題も出てくる可能性があるでしょう。

セキュリティ対策が取りにくくなる

フリーアドレスにすると、オフィスのセキュリティ対策が取りにくいというデメリットも発生します。

フリーアドレスでは、誰がどこの席にいるかを把握しにくいだけでなく、社外の人がオフィスに入ってきても気づきにくいというリスクがあるのです。社外の人の入退室管理ができないと、盗難や情報漏洩などのリスクも高まるでしょう。

また、入退室の把握ができていないと、来客に対してすぐに適切な対応ができないという問題も出てきます。こうした問題は、フリーアドレスによって入退室管理が難しくなることで起こります。

フリーアドレス導入失敗の原因

実は「フリーアドレスの導入を検討したものの、社内の反対の声で中止になってしまった」「導入したら生産性が下がって廃止となった」という会社が多くあります。

フリーアドレスの導入に失敗しないためには、その失敗の原因を知って対策を取る必要があります。ここではフリーアドレスを導入したものの廃止に至ってしまった企業の失敗の原因を分析しましょう。

社員から不満が出た

フリーアドレスの導入を検討したものの、これまであった自分のデスクがなくなることに不満を持つ社員が多く出て、導入を断念したケースがあります。会社は1日のなかでも長い時間を過ごす場所であり、そこに「自分専用のスペースがなくなると落ち着かない」「物が管理できない」という不満は、フリーアドレス導入の際の大きな課題となるでしょう。

新しいシステムを導入する際に全員の賛同を得ることは困難ですが、社員の不満は仕事へのモチベーション低下を招き、離職率の増加につながる恐れもあります。しっかりと対策を取ってから導入する必要があるでしょう。

生産性が下がった

フリーアドレスを導入してみたところ集中できない社員が出てきたり、コミュニケーション不足でスムーズな業務の進行を妨げ、生産性の低下につながったというケースもありました。

ほかにも、フリーアドレスにするための十分な社内インターネット環境が整っておらず、作業が滞って生産性の低下を招いてしまったケースもありました。

フリーアドレス導入では労務管理が困難になったり、コミュニケーション不足が起きたり、十分な業務環境が整っていなかったりすることで、生産性が下がってしまうリスクがあるのです。

人材管理が難しくなった

フリーアドレスにしたことで従業員の出退勤を十分に把握できなかったり、遅くまで残業している従業員がいても気づかなかったりするという問題が多く、廃止したケースがありました。

従業員の出退勤が把握できていないと、遅刻が多い人を把握し対策を立てたり、残業になってしまう業務を改善したりといった従業員へのフォローがしにくくなるという課題が発生するのです。

このような失敗を起こさないためにはどのような対策が必要なのでしょうか。次章でご紹介します。

フリーアドレスの導入で失敗しないための対策

企業の成長のためにフリーアドレスを導入したのに、かえって従業員のモチベーションが低下してしまったり、生産性が下がってしまったりしては本末転倒です。ここではフリーアドレスの導入を成功させるための対策をご紹介します。

フリーアドレスの導入のための対策
  • 個人の専用スペースを設ける
  • コミュニケーションツールを活用する
  • 定例ミーティングやブレストができる場を設ける
  • 入退室管理システムを導入する

個人の専用スペースを設ける

個人の荷物管理が難しくなるといったデメリットへの対策として、個人のスペースを設ける方法があります。

たとえば個人の荷物を保管できる鍵の付いたロッカーを設置すれば、自分の荷物を毎回持って帰ったり、共有スペースに置き忘れてしまったりすることが少なくなります。

また、個人の専用スペースを設けることは、帰属意識の希薄化にも有効な対策です。会社へ行っても自分だけの場所がないと、他社に来社しているかのような感覚に陥ります。しかし、自分専用の場所があれば「所属している場所である」と認識しやすく、帰属意識の希薄化を防ぐことにつながるでしょう。

コミュニケーションツールを活用する

フリーアドレスでも活発なコミュニケーションを図り、労務管理を円滑にするためには、チャットなどのコミュニケーションツールとタスク管理システムを活用するのがおすすめです。

チャットツールならどこにいても気楽に話しかけることができ、受け取る側も都合のよいタイミングで確認・返信ができます。メールを利用するよりオンタイムに確認が取れ、会話のように利用できるので、フリーアドレスのコミュニケーション不足という課題には最適な対策となります。

また、細かな会話が多いチャットツールでは、大事な連絡や情報共有がタイムライン上で埋もれてしまうこともあります。そのような課題への対策としてはタスク管理システムが有効です。

タスク管理システムでは、プロジェクトや作業ごと、部署別など、必要に応じて情報を管理し、場所を選ばずにクラウド上で閲覧や編集できます。

また、フリーアドレスだけでなく、リモートワークやフレックスタイム制を導入している場合にも活用できるため、多様な働き方を実現できる職場づくりに有効なツールです。

定例ミーティングやブレストができる場を設ける

帰属意識の低下による生産性の低下や社員の不満への対策には、定例ミーティングやブレストができる場を設けることが有効です。

フリーアドレスになっても定期的にチームや上司と顔を合わせる機会を設けることで、従業員は帰属意識を持って業務を進めることができます。

定例ミーティングでは、それぞれがどんな作業を行っているのかを顔を合わせて報告し合います。それぞれの作業を共有することでチームとして仕事を進めている実感が沸き、モチベーションの低下を防いで生産性の向上につなげることができます。

また、個々の社員の不満を解消するためには、人事や上司による定期的な個人面談を行う機会を設けるとよいでしょう。チャットや会議などでは言えない、個人が困っていることや不満に思うことをヒアリングすることでコミュニケーション不足を解消し、従業員のモチベーション低下を防ぐことができます。

出退勤・入退室管理システムを導入する

フリーアドレスにすると大きな問題となるのが従業員の出退勤の把握や防犯対策です。

全員が出勤したのか、残業で帰りが遅くなっていないかを把握するには、出退勤管理システムが有効です。出退勤管理システムとは、出退勤時間の打刻・記録から、残業や各種休日休暇の申請、シフト作成、労働時間の集計など勤怠管理全般をサポートしてくれるシステムのことです。

全従業員の出退勤をクラウド上で確認できるため、場所を選ばずに従業員の出退勤を確認することができます。また、フリーアドレスの環境で人の出入りが把握しにくいなかで部外者の侵入を防ぐためには、スマートロックで施解錠管理ができる入退室管理システムを導入するのがおすすめです。

スマートロックとは入口に設置したID読み取り用のリーダー機器にICカードやスマホのICカードアプリ、専用のスマホアプリなどをかざしたり、通信したりすることで解錠できるシステムです。スマートロックを使用した入退室管理システムなら、施解錠と同時に誰がいつ入退室したかの記録を残し、管理側で把握できる仕組みになっています。

権限を付与されたICカードや専用のアプリを持っていないと解錠できないため、オフィスの防犯対策になります。また、その場合、入退室権限を持たない訪問者は必ず受付システムを使用することになるため、来客対応も迅速にできるでしょう。

フリーアドレスを導入する前にすべきこと

実際にフリーアドレスを導入することになった場合、事前に行っておくべきことをまとめました。フリーアドレスの導入を決定したら、以下のことを行いましょう。

  • フリーアドレスを導入する目的を明確化する
  • 通信環境やフリーアドレス対応の仕事環境を整える
  • 個人のロッカーや共有の備品置き場を設ける
  • 活用できるシステムを検討し、導入・共有する

フリーアドレスを導入する目的を明確化する

導入する前に、なぜフリーアドレスにするのか目的を明確にしましょう。「フリーアドレスにすればスペースを有効活用できそう」といった明確な目的なく導入すると失敗を招く可能性があります。

フリーアドレスにすることでどんな効果を狙いたいのかを明確化することで、どのようなデスクの配置にすべきか、必要なものは何かを把握することができます。

また、明確化したフリーアドレス導入の目的を従業員に説明しましょう。そうすることで、会社でフリーアドレスを有効活用する意識が生まれ、従業員の不満解消にもつながる効果が期待できます。

通信環境やフリーアドレス対応の仕事環境を整える

フリーアドレスを快適かつ有効的に活用するためには、通信環境や仕事環境を整えておく必要があります。

まず、社内Wi-FiやLANケーブル、コンセントの必要数や設置場所を決定し、また固定電話の台数や設置場所、活用ルールも決める必要があるでしょう。

また、場所を選ばずに利用可能なノートPCを人数分揃えたり、モニターを使う必要がある場合にはどこに何台設置するかを考え、準備します。

通信環境や必要な備品を準備しておくことで、フリーアドレスの効果を最大限生かせます。

個人のロッカーや共有の備品置き場を設ける

デメリットへの対策でもご紹介したとおり、個人の荷物置き場や郵便物を届けられる場所を設置しましょう。また、文房具など共有で使用する備品の置き場や貸出ルールも決めておく必要があります。

書類や資料などの保管場所は、部署やプロジェクトチームなどで分けて設置し、施錠管理できるようにしてください。また、管理ルールを決め、社内共有しておきましょう。

フリーアドレスでは、個人の所有物と共有物の保管場所をしっかり指定し、管理しておくことが大切です。

活用できるシステムを検討し、導入・共有する

コミュニケーションツールやタスク管理システム、勤怠管理システム、入退室管理システムをまだ導入していない場合は、自社に最適なシステムを検討し、フリーアドレス開始前に導入して、従業員にシステムの操作に慣れておいてもらうことがおすすめです。

例えば、スマートロックを活用したAkerunは既存の勤怠管理システムとも連携できる入退室管理システムです。工事不要で取付ることができ、原状回復も可能なため、賃貸のオフィスでも利用できます。従業員はスマートロックで入退室ができ、出退勤の報告する手間も省けます。勤怠の打刻漏れも防ぐことができるので、労務管理の負担も軽減できるシステムです。

フリーアドレスに期待できる効果

しっかりとデメリットへの対策を取ってからフリーアドレスを導入すると、以下のような効果が期待できます。



  • 社員の働きやすさが向上する
  • チームが気軽に集まってミーティングを行える
  • スペースを有効活用してコストを軽減できる

社員の働きやすさが向上する

リモートワークやフレックスタイム制などワークライフバランスを考えた多様な働き方を採用する企業が増えていますが、フリーアドレスはこうした柔軟な働き方の1つとして働く側にもさまざまなメリットがあります。

例えば、集中したいときは人が少ないエリアの席を選んだり、チームでコミュニケーションを取りたいときは中央の席で集まったりと気分や状況によって働く場所を変えることができます。

柔軟な働き方ができる企業に就職したいというニーズは高まっているため、採用でも良い効果が期待できるでしょう。

チームが集まりやすくなる

これまでに「会議室の予約がなかなか取れない」「予約が取れる時間にメンバーが集まれない」といった問題があった場合もフリーアドレスなら必要なときに空いているスペースを見つけて集まれるのでミーティングがしやすくなるでしょう。

また、少しだけ相談したいときや、業務レクチャーの際など、少人数で集まるときも会議室の予約を取らずに済みます。

オフィス空間を従来の固定観念に捉われず、自由に活用できるのは、フリーアドレスの大きなメリットです。

スペースの効率化でコストを削減できる

フリーアドレスにすると、リモートワークがメインの人のデスクを設けなくてよくなったり、会議室スペースを減らしたりできるため、オフィスのスペースを有効活用できます。

これにより、例えばリモートワークを行っている企業では人数が増えても大きなオフィスを借りる必要がなくなる可能性があります。販管費のなかでもオフィス家賃は大きな割合を占める支出のため、フリーアドレスの導入は、販管費の削減に大きな効果が期待できます。

まとめ

フリーアドレスは、自席がなくなり部署に捉われず交流を深められたり、新たな業務スタイル、オフィスのコスト削減など多くのメリットをもたらす新しいオフィススタイルです。

しかし、フリーアドレスの目的を明確にせず、デメリット対策をしないで導入してしまうと、社員に不満が出たり、生産性が低下したり、労務管理やセキュリティに課題が出て来てしまいます。

フリーアドレスの導入を検討されている方は、なぜフリーアドレスを導入するのか目的を明確にし、社員にも共有することが大切です。そのうえで、必要な整備や対策を検討し、フリーアドレスの導入前にしっかり準備をしておきましょう。

デメリットを理解して十分な対策を取ったうえで導入すれば、会社と従業員もフリーアドレスによる有益な効果を得ることができるでしょう。

Akerunは工事不要で簡単に取り付けられる入退室管理システムです。さまざまなオフィス環境に対応しやすく、既存の勤怠システムとの連動も可能なため、快適なオフィスづくりの対策のひとつとしてぜひご活用ください。


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