事業再構築補助金とは?申請する際の注意点や活用例なども解説!

2023年11月09日
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令和5年度事業再構築補助金とは、長引く新型コロナウイルス感染症の影響に加えて、物価高騰などにより事業環境が厳しさを増す中、中小企業などの大胆な事業再構築に向けた取り組みを支援し、中小企業等の付加価値額向上や賃上げにつなげるとともに、企業価値の向上や賃上げだけでなく日本経済の構造転換を促すことを目的としてます。
また、2023年度(令和5年度)の事業再構築補助金では申請枠が大幅な変更となりました。

ここからは、「事業再構築補助金とは、どんな補助金か」「事業再構築補助金に申請したいが、自社は申し込みできるか」という方に向けて解説をしていきます。

事業再構築補助金とは

事業再構築補助金とは、新型コロナウイルス感染症の影響を受けて業績が下がる中小企業などに対して、事業の再構築を支援するための補助金のことです。事業再構築補助金の目的は、新型コロナウイルス感染症の流行後、厳しい経済状況の変化に対応するために、中小企業などの思い切った事業再構築を支援し、日本経済の構造転換を促すことです。

なお、事業再構築補助金は、2023年10月6日(金)18:00をもって第11回公募が締め切られました。次回の補助金の実施の時期はまだ未定ではありますが(※)、この記事では第11回の事業再構築補助金の内容をベースに紹介していますので、次回の事業再構築補助金に申請する際の参考としてください。

※2023年10月24日時点

事業再構築補助金の対象経費

補助対象経費は、以下の内容に該当するものとして定められています。

  1. 事業拡大につながる事業資産(有形・無形)への相応の規模の投資を含むものであり、本事業の対象として明確に区分できるものであること
  2. 事業の実施上の必要性および金額の妥当性を証拠書類によって明確に確認できるものであること
(公募要領より)

また、最近よく受ける相談に「建物には補助金を使えなくなったんですよね?」というのがあります。これは勘違いで、新築は基本NGになってしまいましたが、内装などへの利用は可能です。
<補助対象経費の例>
  • 建物費(建物の建築・改修、建物の撤去、賃貸物件等の原状回復、貸し工場・貸店舗等の一時移転)
  • 機械装置・システム構築費(設備、専用ソフトの購入やリースなど)、クラウドサービス利用費、運搬費
  • 技術導入費(知的財産権導入に要する経費)、知的財産権等等関連経費
  • 外注費(製品開発に要する加工、設計など)、専門家経費(※)・広告宣伝費・販売促進費(広告作成、媒体掲載、展示会出展など)
  • 研修費(教育訓練費、講座受講など)
【注1】建物費は、減価償却資産の耐用年数などに関する省令(昭和40年大蔵省令第15条)における「建物」、「建物附属設備」に係る経費が対象です。「構築物」に係る経費は対象になりませんのでご注意ください。

【注2】機械装置・システム構築費は、減価償却資産の耐用年数などに関する省令(昭和40年大蔵省令第15条)における「機械及び装置」、「器具及び備品」、「工具」に係る経費が対象です。「構築物」、「船舶」、「航空機」、「車両及び運搬具」に係る経費は対象になりませんのでご注意ください。

【注3】一過性の支出と認められるような支出が補助対象経費の大半を占めるような場合は、原則として本事業の支援対象にはなりません。

※応募申請時の事業計画の作成に要する経費は補助対象外
<補助対象外の経費の例>
  • 補助対象企業の従業員の人件費、従業員の旅費
  • 不動産、株式、公道を走る車両、汎用品(パソコン、スマートフォン、家具等)の購入費
  • フランチャイズ加盟料、販売する商品の原材料費、消耗品費、光熱水費、通信費 など

事業再構築補助金の補助対象

2023年度(令和5年度)の事業再構築補助金では申請枠が大幅に変更となりました。
第11回事業再構築補助金の補助額は、「成長枠」「グリーン成長枠」「卒業促進枠」「大規模賃金引上促進枠」「産業構造転換枠」「最低賃金枠」「物価高騰対策・回復再生応援枠」の7つの申請枠があります。どの申請枠で申し込むかによって、具体的な金額や補助率が変わります。

事業再構築補助金の申請枠

第11回事業再構築補助金の補助額は、前述の通り7つの申請枠がありました。(第11回事業再構築補助金では「サプライチェーン強靭化枠」はありません) 画像入れる

全枠共通必須要件

事業再構築補助金の必須要件として、以下の2つを満たす必要があります。

①事業計画について認定経営革新等支援機関の確認を受ける
事業者自身で事業再構築指針に沿った事業計画を作成して、認定経営革新など支援機関の確認を受けることが要件の1つとされています。補助金額が3,000万円を超える案件は金融機関の確認も受ける必要があります。
(金融機関が認定経営革新等支援機関を兼ねる場合は金融機関のみで良い。)

②付加価値額を向上させる
補助事業終了後3~5年で付加価値額の年率平均3.0~5.0%(※)以上増加、または従業員一人当たり付加価値額の年率3.0~5.0%(※)以上増加させる必要があります。
付加価値額は、営業利益、人件費、減価償却費を足したものを指します。

※年率平均は申請枠によって異なります。

ここからは、申請枠ごとの対象事業の概要、要件を紹介します。

成長枠

成長分野への大胆な事業再構築に取り組む中小企業などを支援する枠のこと

「補助金額」
【従業員数 20人以下】 100万円 ~ 2,000万円
【従業員数 21~50人】 100万円 ~ 4,000万円
【従業員数 51~100人】 100万円 ~5,000万円
【従業員数 101人以上】 100万円 ~ 7,000万円

 「補助率」
中小企業者等 1/2 (大規模な賃上げ(※)を行う場合は 2/3)
中堅企業等 1/3 (大規模な賃上げ(※)を行う場合は 1/2)

※事業終了時点で、①事業場内最低賃金+45円、②給与支給総額+6%を達成すること。

グリーン成長枠

研究開発・技術開発または人材育成を行いながら、グリーン成長戦略「実行計画」14分野の課題(※1)で挙げられている太陽光発電やバイオ燃料などの「グリーンエネルギー」の解決に役立てる取り組みを行う中小企業などの事業再構築を支援する枠のこと

「補助金額」
(エントリー)
中小企業者等【従業員数 20人以下】100万円 ~ 4,000万円
【従業員数 21~50人】100万円 ~ 6,000万円
【従業員数 51人以上】100万円 ~ 8,000万円
中堅企業等 100万円 ~ 1億円

(スタンダード)
中小企業者等 100万円 ~ 1億円
中堅企業者等 100万円 ~ 1.5億円

「補助率」
中小企業者等 1/2 (大規模な賃上げ(※2)を行う場合は 2/3)
中堅企業等 1/3 (大規模な賃上げ(※2)を行う場合は 1/2)

※1 出典:経済産業省「グリーン成長戦略(概要)」
※2 事業終了時点で、①事業場内最低賃金+45円、②給与支給総額+6%を達成すること。

卒業促進枠

国から「成長枠」「グリーン成長枠」の補助金を受けて事業を行い、中小企業などから中堅企業などに成長する事業者に対して上乗せで支援する枠のこと

「補助金額」
成長枠・グリーン成長枠の補助金額上限に準じる。

「補助率」
中小企業者等 1/2
中堅企業等 1/3

大規模賃金引上促進枠

国から「成長枠」「グリーン成長枠」の補助金を受けて事業を行い、大幅に従業員の賃金の引き上げに取り組む事業者に対して上乗せで支援する枠のこと

「補助金額」
100万円~3,000万円

「補助率」
中小企業者等 1/2
中堅企業等 1/3

産業構造転換枠

成長分野への大胆な事業再構築に取り組む中小企業などを支援する枠のこと

「補助金額」
【従業員数 20人以下】 100万円 ~ 2,000万円
【従業員数 21~50人】 100万円 ~ 4,000万円
【従業員数 51~100人】 100万円 ~ 5,000万円
【従業員数 101人以上】 100万円 ~ 7,000万円
※廃業を伴う場合には、廃業費を最大 2,000万円上乗せ

「補助率」
中小企業者等 2/3
中堅企業等 1/2

最低賃金枠

最低賃金の引上げを行いたいが、その資金の確保が事業の状況的に困難な中小企業などの事業再構築を支援する枠のこと

「補助金額」
【従業員数 5 人以下】 100万円 ~ 500万円
【従業員数 6~20 人】 100万円 ~ 1,000万円
【従業員数 21 人以上】 100万円 ~ 1,500万円

「補助率」
中小企業者等 3/4
中堅企業等 2/3

物価高騰対策・回復再生応援枠

事業の状況が厳しい事業者、事業再生に取り組む中小企業など、原油価格・物価高騰などの影響を受ける中小企業などの事業再構築を支援する枠のこと

「補助金額」
【従業員数 5人以下】 100万円 ~ 1,000万円
【従業員数 6~20人】 100万円 ~ 1,500万円
【従業員数 21~50人】 100万円 ~ 2,000万円
【従業員 51人~】 100万円 ~ 3,000万円

「補助率」
中小企業者等 2/3(※1)
中堅企業等 1/2(※2)

※1 従業員数 5人以下の場合 400万円、従業員数 6~20人の場合 600万円、従業員数 21~50人の場合 800万円、従業員数51人以上の場合は 1,200万円までは3/4
※2 従業員数 5人以下の場合 400万円、従業員数 6~20人の場合 600万円、従業員数 21~50人の場合 800万円、従業員数 51人以上の場合は1,200 万円までは 2/3

これらの申請要件を参考に、自社でどの枠に申請するかを検討しましょう。

事業再構築補助金の申請にあたっての注意点

事業再構築補助金の申請にあたっての注意点として、事業再構築補助金は後払いであることが挙げられます。なお、事業再構築補助金に限らず、補助金は原則として後払いです。
しかしながら、初めて補助金を申請する場合、後払いということを知らなかったという事業者の方もいると思います。
補助金が出るまでは自己資金、または金融機関からの融資が必要となるので注意しましょう。

また、事業再構築補助金の申請をしても必ず採択されるわけではなく、さらには事業再構築補助金の採択率は第10回事業再構築補助金では、平均約48%となっています。
応募の多かった申請枠である成⾧枠が約45%、物価高騰対策・回復再生応援枠が約50%であることを考慮すると、厳し目の採択率といえるでしょう。

※第10回事業再構築補助金では、申請受付締切りである2023年6月30日までに10,821件の応募があり、厳正な審査の結果、5,205件が補助金交付候補者として採択されています。

事業再構築補助金の活用例(採択事例より)

ここからは、事業再構築補助金の活用例を解説していきます。
事業再構築補助金を申請する前に、自社や事業環境の現状に加えて、自社の強みや補助金を活用した具体的な事業計画などを分析・イメージし、精度の高い事業計画書を提出することを心がけると採択される可能性も高まるでしょう。

宿泊業

宿泊や飲食、観光アクティビティのための複合施設を展開していたが、新型コロナウイルス感染症の影響で売上が大幅に減少した。そこで、事業再構築補助金で、ワーケーション目的の新規顧客の獲得に特化したコワーキング機能付きの宿泊施設を開業した。この宿泊施設により、法人との定額利用契約の獲得を目指すビジネスモデルという、自社として新しい分野での事業展開を行うことができた。

飲食サービス業

新型コロナウイルス感染症の影響で、キッチンで作っていた料理を「ケータリング」で店舗へ運ぶ従来のビジネスモデルから、BBQ業態へ転換を行う。その際に事業再構築補助金を使って、商品個包装パッケージ化に伴う受発注および在庫管理システムを導入することで、全て小分した個包装で製造した「物販商品」という新たなビジネスモデルへの転換を行うことができた。

無人ジム

営業時間中はスタッフを常駐させていたフィットネスジムが、新型コロナウイルス感染症の影響で会員数が減少し、売上も大幅に減少した。そこで、事業再構築補助金を使って入退室管理システムと会員管理システム、決済システムを導入して予約から入室、決済までを自動化させて、ジムの省人化・無人化運営を実現するとともに、営業時間を24時間営業に拡大しながら人件費を削減した。

このように事業再構築補助金を活用して、新しいビジネスモデルの展開や事業の再構築を行うことができます。上記の事例はあくまで一例になりますので、実際の採択事例を確認したい方は、事業再構築補助金の公式のWebサイトにてご覧ください。

ここからは、事業再構築補助金などを活用して新しい分野で事業展開を行う際に、オフィス/店舗、施設のセキュリティの強化や利用者の利便性を高められるAkerun入退室管理システムについて解説します。事業再構築補助金の採択例でもありましたが、ジムやコワーキングスペース、レンタルスペースなどの会員制施設の省人化・無人化の運営にもAkerun入退室管理システムを活用できます。Akerun入退室管理システムの詳しい特徴は、次の章でご覧ください。

外部システムとの連携は可能か

例えば、勤怠管理システムと連携できるスマートロックなら、スマートロックを利用した入退室時に勤怠打刻も同時に行えるため、従業員の勤怠をより正確に把握できるようになり、給与計算に関わる労務関連の業務の負担も低減できます。また会員管理システムや決済システムと連携可能なスマートロックなら、フィットネスジムといった会員制ビジネスにおける省人化・無人化が可能になり、施設運営の業務効率化・コスト削減などにつながります。
自社ですでに利用している、または導入予定の外部システムと連携可能かどうかも、スマートロック選びの大切なポイントです。

事業再構築補助金で入退室管理システムを導入するなAkerun入退室管理システムがおすすめ!

Akerun入退室管理システム(以下、Akerun)は、物理的な金属の鍵を使わずにICカードやスマホなどを使ってドアを施錠・解錠し、オートロック機能によってドアが閉まると同時に自動施錠できるため、利用者の利便性とセキュリティを高めることができます。
累計7,000社を超える導入実績を持ち、オフィスをはじめ、会員制のジムや店舗、大学などの教育機関、病院など様々な業種・業態で活用されています。

ここからは、事業再構築補助金の申請を考えている方で、オフィス/店舗、施設のセキュリティの強化や利便性を高めたい方に向けて、Akerunの特徴を3つに絞って解説していきます。

工事不要で賃貸物件にも安心して導入できる

Akerunは、サムターン(つまみ)がついた開き戸や自動ドア、電気錠、電磁錠など様々なドアに後付けで設置が可能です。特に、サムターン(つまみ)がついた開き戸では、業務用の強力な両面テープを使って利用者自身が被せるように貼り付けるだけで設置できるので、設置工事などは必要ありません。そのため、オフィスや店舗/施設の移転やレイアウトの変更の際でも原状回復が必要なく、移転先などの新しいドアにもそのまま貼り付けるだけで使用できます。この特徴により、賃貸物件でも安心して導入できます。

自動ドアや電気錠、電磁錠などに設置する際は、簡易的な工事が必要になりますが、大掛かりな工事が必要なものと比べてコストを削減できるため、おすすめです。

入退室の制御によってセキュリティを強化できる

Akerunは、入退室できる「場所」「人」「日時(時間帯や曜日など)」を細かく設定して解錠権限の付与・解除を行うことで入室制御できるため、セキュリティの強化につながります。例えば、オフィスで機密情報や個人情報を保管しているエリアには特定の人物が特定の時間帯のみ入室できるようにすれば、不法侵入による情報漏えい(漏洩)などのリスクを防止できます。

APIを使った外部システムとの連携で業務をさらに効率化できる

Akerunは、APIを使って外部システムと連携すれば、入退室の履歴/ログを活用して業務をさらに効率化できます。例えば、会員管理システムや予約システム、決済システムと連携すれば、予約情報を元に利用者に解錠権限を自動付与し、決済手続きも自動化できるため管理者と利用者の双方の利便性を高められます。

他にも勤怠管理システムと連携すれば、労務担当者の勤怠管理業務の負担を低減できるので、事業再構築の際に活用することで、セキュリティ強化だけでなく様々な業務の効率化を図ることもできます。

Akerunが選ばれる理由

まとめ

事業再構築補助金は、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化したことを受けて、中小企業などの事業再編/転換や新たな挑戦を支援することを目的とした補助金です。この事業再構築補助金を活用することで、企業は資金調達の負担を軽減しながら、事業運営を効率化したり、新しい事業に挑戦することができます。

今回の記事は、既に公募が終了している第11回の事業再構築補助金をベースに全体の概要や要件など紹介しました。次回の第12回事業再構築補助金のスケジュールなどの詳細はまだ未定ですが、最新情報は、事業再構築補助金の公式Webサイトでご確認いただき、申請枠ごとの公募要件や補助金額などをしっかり確認し、自社で申請する枠や事業内容などについて検討してみてください。

事業再構築補助金などの補助金を活用して新しい事業を開始する、または既存事業の活性化を図りたい場合は、Akerunを導入することで、導入コストを抑えながらセキュリティを強化でき、さらに様々な外部システムとも連携させて利便性や業務効率も高められるのでおすすめです。ぜひ製品資料をご覧になって、Akerunの導入もご検討ください。

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