中小企業における勤怠管理システムの導入効果

2022年10月26日
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中小企業の抱える課題

労務管理における環境の変化とリソース不足

働き方改革関連法やコロナ禍によって、中小企業でも勤務体制の再整備・見直しが課題となっており、時差出勤や在宅勤務など時間や場所にとらわれない働き方も注目されています。そして、労務管理の観点からは、このようなワークスタイルの変化に柔軟に対応するために、勤怠管理の見直しも必要不可欠な状況になっています。

従業員の労働状況の記録と把握を行う勤怠管理は、事業規模を問わず、全ての会社で必要となる業務です。そして、勤怠管理で取りまとめたデータは、休暇の取得や賃金額の算出の基本データにも利用されるため、勤怠管理はミスなく正確に行うことが大前提となります。

しかし、中小企業においての勤怠管理業務は、総務や経理などと兼任の労務担当者も多く、人手不足が業務の妨げの原因になっている場合があります。加えて、勤怠管理の方法が従来のアナログな方式であった場合、さらに業務工数の増大につながりかねません。



例えば、今でも企業で利用されてるものとして、紙によるタイムカードを使った方法が挙げられます。運用方法としては、従業員が専用の紙のタイムカードで打刻を行い、勤怠管理担当者が締め日に勤怠データを集計するというものですが、集計はタイムカードに打刻された時刻をエクセルなどに転記するというアナログな方法がとられているケースがほとんどです。>
しかしこの方法は非常に非効率的で、人的ミスが発生しやすくなり、その結果、中小企業の勤怠管理関連の業務にかける工数をさらに増加させているとも言えます。

労務関連法制の改正による影響

さらに、勤怠管理では、働き方改革関連法を含む労務関連法制の改正などにも大きく影響を受けるという事情もあります。

その一例として、従業員の労働時間を適正に把握しなければならないことが挙げられます。法令によって、営業などで社内にいない従業員や在宅勤務を実施している従業員の勤怠もしっかり把握することが求められるようになったことで、社内のタイムカードを打刻することが難しいこれらの従業員の場合、事後のフォローアップなどが必要な場合もあります。

また、時間外労働の上限規制がなかった管理監督者についても、法改正を経て勤怠管理が義務化されたことにより、勤怠管理の対象者が増え、担当者の負担はさらに増大しています。

このような状況のもと、 日々変化する労働環境や度重なる法改正にも対応した勤怠管理を行うには、従来のアナログな方法を改め、業務のシステム化などを通じた業務効率化が必要不可欠ともいえるのではないでしょうか。

従来型の勤怠管理方法とデメリット

働き方や労働関連法制の変化により、タイムカードによる勤怠管理はもはや時代遅れな方法とも言えるかもしれません。ここではさらに、従来型のタイムカードによる勤怠管理のデメリットについてより詳しく考えていきます。

タイムカードによる勤怠管理のデメリットは大きく分けて3つのポイントに分けられます。

非効率である

紙のタイムカードを使用している場合、集計時は用紙を回収し、エクセルや給与計算用ソフトに、手作業で入力する必要があります。この場合、全従業員の一か月分の労働時間を集計するとなると膨大な時間やコストがかかります。



さらに、手入力の場合は人的ミスが避けられません。ミスを避けるためには、ある担当者が入力したデータを、別の担当者が確認するなどが必要になり、チェックにかかる時間や修正などに時間がかかってしまいます。また、入力を間違えたまま集計してしまい、後日従業員から申告があった場合、記録の修正や給与の再計算などにも大きな手間が発生します。

勤怠管理は賃金にも関わる重要な業務でもあるため、ミスが頻発するようでは従業員からの信頼も揺らいでしまう可能性があります。

虚偽の申告ができてしまう可能性がある

タイムカードはアナログ式で従業員自身が手動で打刻します。そのため、本人以外の従業員が、代理で打刻することもできてしまいます。本来出勤していないのに代理の人が打刻してしまうケースや、タイムカードを打刻したのに自席に戻って引き続き労働するサービス残業のようなことも考えられます。

タイムカードは本来、従業員の労働時間を把握・管理する客観的なデータでなければならず、意図的であるかどうかを問わず、不正が容易にできてしまうという状況は、データそのものの信頼性が低い状態といえます。

支社、支店の勤怠の把握がしにくい

中小企業でも支店や事業所などがある場合、本社の管理部門が一括して勤怠管理を行っていることがあります。紙のタイムカードの場合は、締め日にタイムカードを集めて、本社へ送付するなど時間的なロスが発生してしまいます。また、郵送費なども発生し、大きくはないものの費用面の負担もあります。

さらに本社の勤怠管理担当者が確認する際に、ミスが判明した場合の支社、支店との確認ややり取りなどの手戻りによる再確認作業でさらに手間もかかってしまいます。

法改正に速やかに対応できない

近年、働き方改革による法改正によって、残業時間の上限規制や有休休暇の消化の義務化などが求められています。タイムカードの場合、前述のように正確に打刻していなければ正確に残業時間が把握できない可能性があります。

また、有給の取得についてはタイムカードでは確認することができず、残りの有給日数や有効期限の把握も難しくなります。このように、労働関連法制の改正によって、適切な勤怠管理ができないというデメリットも挙げられます。

一方で、タイムカードには、初期費用やランニングコストがそれほど掛からないことや、誰でも簡単に利用できるというメリットがあります。しかしそれ以上に、業務における非効率的な側面が多いことや、現代の働き方や法律に対する順応性が低いツールであることが問題ともいえるでしょう。

中小企業での勤怠管理システムの導入

タイムカードに代わり、効率的に勤怠管理を行う方法として最近導入が進んでいるのが、勤怠管理システムです。勤怠管理システムの導入によって、従業員一人ひとりの出退勤状況や労働時間、休暇取得等の情報を一括で確認・管理することができます。タイムカードも勤怠管理業務におけるツールの一つといえますが、場所や時間にとらわれないさまざまな働き方に柔軟に対応することができるという点で大きな違いがあります。

勤怠管理システムには、クラウド型や自社でサーバーやソフトウェアなどを購入し利用するオンプレミス型のものなどがあります。打刻の方法は様々ですが、専用のICカードで読み取るものや、スマホにアプリをダウンロードしてアプリ上で打刻するものなどがあります。



さらに高度なシステムになると、指紋や顔認証などの生体認証システムなどと連携させることで、なりすましによる打刻を防ぐということも可能です。このようにシステムを導入する事で紙によるタイムカードと比べてより正確に勤怠管理を行うことができます。

勤怠管理システムの導入は目的が大事

便利だからといって、必要以上に高性能な勤怠管理システムを導入すればいいというわけではありません。特に中小企業の場合は、ランニングコストや従業員数、主にシステムを使用する従業員の業務内容などを考慮しながら導入を検討する必要があります。

まず導入するにあたって、解決したい課題やコストなどの条件を明確にし、導入すべき勤怠管理システムの種類や機能を検討しましょう。

正確な勤怠管理を行いたい

勤怠管理システムの場合、出退勤時間や労働時間などは従業員の打刻に基づいて自動集計される為、転記ミスや見落としといった業務における人的ミスを防止することができます。種類によっては、有給休暇の日数などを管理できるものもあるので、併せて活用することで有給や特別休暇の取得状況も正確に把握できるようになります。

不正な打刻を防止したい

勤怠管理システムでは、専用のICカードや従業員の手持ちのスマートフォンなどの個々人に紐づいた方法で打刻させることが出来るため、不正行為を防止しやすくなります。より厳重に勤怠管理を行う場合は、生体認証システムを活用することで、なりすましによる打刻を防止できます。

労務管理者の手間を軽減したい

利用する勤怠管理システムによっては、打刻忘れや打刻漏れをアラートで知らせてくれる機能などを搭載しているものもあります。このアラート機能を活用すれば、打刻忘れや打刻漏れがあった場合も従業員本人に通知することで自ら修正できるようになるため、締め作業における労務担当者のチェック作業を大幅に削減できます。

多様な働き方に対応したい

勤怠管理システムのメリットは、タイムカードのようにオフィスに専用機器を置かずに打刻ができる点です。在宅作業やテレワークの際もPCやスマートフォンからの打刻が可能なため、場所を選ばない働き方にも対応できます。また、どこにいても打刻できるため、直行直帰や出張などにも対応可能です。

さらに、勤怠管理システムには出張などの申請もシステム上で行うことができるものもあるため、従来申請書などの上で行っていた諸々の申請や稟議をペーパーレス化することもできます。ほかにも、遠隔地における事業所の勤怠管理も一元管理することができるなど、本社での一括管理における負担も軽減されるでしょう。

自社の目的に応じた勤怠管理システムを選ぶことで、導入のメリットを大いに実感することができます。また単純に勤怠管理の課題解決だけではなく、労務に関連した他の課題問題についても改善につなげることができるというメリットもあります。

ただし、勤怠管理システムも多種多様なので、自社の規模や導入目的、費用、サービス提供会社のサポート体制やシステムの拡張性などを総合的に比較検討し、自社に最適なシステムの導入をめざしましょう。

勤怠管理システムとAkerun入退室管理システムの連携



勤怠管理システムは様々なサービスと連携できるものもあります。例えばオフィスなどのスマートロックと勤怠管理システムが連携しているケースです。この連携により、スマートロックに記録された入退室の履歴情報を勤怠管理システムに自動で取り込み、ある日の最初の入室を出勤時間、最後の退室を退勤時間として記録することができます。

一般的なオフィスのみならず、工場やシステム会社、倉庫、フィットネスジムなど業種や業態を問わず連携を活用できます。入退室に使用するICカードやスマートフォンを、セキュリティのための鍵と勤怠管理のためのタイムカードに活用することができ、普段の入退室が勤怠情報として自動に記録されるので、打刻忘れや打刻漏れが減り、労務担当者の工数削減が期待できます。

まとめ

働き方の多様化が迫られる中で、勤怠管理システムの導入は日々その重要性を増しています。自社の課題を解決できる最適なシステムを導入することで、勤怠管理のみならず、その周辺業務の課題解決のきっかけとなる可能性もあるため、自社に最適な勤怠管理システムの導入を検討してみてはいかがでしょう。



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