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はじめに
日本の治安は世界平和度指数(GPI)の10位以内に入るほど(※)治安が良いとされており、ちょっとした外出なら鍵を閉めずに外に出てしまう人も少なくありません。
しかし、近年では侵入窃盗事件などが多発しており、侵入で狙われやすい要因として無施錠が挙げられます。そこで、本記事では住宅やオフィスの無施錠を防止したり、セキュリティを強化できるオートロックを紹介します。オートロックのメリットやデメリット、導入のポイントなどを知りたい方はぜひご一読ください。
※出典名:世界の経済・統計 情報サイト(2022年6月29日)
オートロックとは
オートロックとは、ドアが閉まった際に自動で施錠を行う仕組みのことを指します。一般的に共同住宅やオフィスのエントランスなどに設置されています。国土交通省「平成30年 住生活総合調査結果」によれば、オートロック式の共同住宅とは以下のように定義されています。
建物内に共用玄関のドアがあり、外からドアを開けるためには、鍵や暗証番号などを用いるか、居住者などに内側から鍵を解除してもらう必要がある共同住宅
特に、共同住宅でオートロックが備えられている物件では、エントランスの鍵と各居住エリアの鍵、2つを突破しなくては内部に侵入できないため、オートロックなしの物件と比べて防犯対策が優れているとされています。
また、一戸建てでもドアにオートロックを備えることで無施錠を回避することができるので、セキュリティの強化に繋がります。備え付ける方法としては、新築時、中古住宅ならリフォーム時にオートロック式の玄関ドアを希望することによって導入可能です。
オートロックのメリット
オートロックのメリットには、どんなものがあるのでしょうか。ここでは、主な3つのメリットを紹介します。
防犯面で安全性が高い
オートロックの最大のメリットは、防犯対策を強化できることです。警察庁の統計によると、空き巣の侵入手口は1戸建て/共同住宅のいずれも「無締り」が最も多く、鍵のかけ忘れや「少しの間なら大丈夫だろう」という油断などに起因していると考えられます。
しかし、オートロックなら少しの外出や鍵のかけ忘れがあってもドアが閉まると自動で鍵が施錠されるため、侵入防止になるので安全性が高まります。
不審者が侵入しにくい
オートロック機能をもったドアを解錠するためには、物理的な鍵や交通系ICカード、暗証番号などが必要で、解錠方法を知っている/解錠手段を持っている人だけが入室できるので、外部からの侵入を抑止できる効果が期待できます。
特に、オートロック式のマンションなど共同住宅の場合、不審者が侵入するためには共用部エントランスのオートロックと住宅のドアの2つの鍵を突破する必要があります。そのため、住居に実際に侵入者が入ってくるリスクはかなり低くなるでしょう。
オフィスの場合も同様に、関係者以外の出入りを解錠権限を付与した人のみに制限できるため、オフィス内に不審者が入ってくるリスクを軽減できます。結果、オフィスのセキュリティレベルを上げられるため、従業員が安心して業務できる環境を実現できます。
来客者を確認できる
オートロック式のマンションなどの共同住宅、あるいはオフィスの場合は、オートロックの導入により、来訪者がフロアに入室する前に誰が来たのか把握し、必要に応じて入口の鍵を解錠するなどの対応ができます。
例えば、事前にアポイントメントがなく突然の訪問で時間がとれない場合や、必要のないセールスだった場合など、インターホン越しで来訪者に対応することで入室を断ることもできます。
オートロックのデメリット
防犯性が高いオートロックですが、一方でデメリットもあります。ここでは、主なデメリットを3つ紹介します。
閉め出しのリスクがある
オートロックの最大のデメリットは、鍵を持つのを忘れてそのまま外に出てしまった場合に締め出されてしまうことです。暗証番号式であれば、番号を入力するとドアロックを解錠することもできますが、後述するカードキー式や集合キー式などの場合は忘れてしまうと中に入れなくなってしまいます。
家やオフィスの中に人がいれば中から開けてもらうこともできますが、一人の状態でも解錠できるようにさまざまな認証方法で鍵を開けられる製品を選ぶことをおすすめします。事前に、施解錠に利用するデバイスを複数用意・設定しておくと締め出された場合でも対処することができることがあります。
侵入リスクがゼロではない
オートロックは鍵を自動で施錠してくれるため、防犯面での安全性が高くセキュリティ強化になりますが、絶対に侵入されないとは言いきれません。例えば、鍵やカードキーを紛失した場合、それを悪用されてしまうこともあるでしょう。
もし紛失した場合でも、専用の管理画面などで入室権限を解錠することができるものであれば、すぐに対処することができます。また、入退室の記録/ログを見て悪用されているのかすぐに把握できるものもあります。
家賃が高めに設定されている
オートロック設備がついている住居やオフィスは、オートロック機能がない施設と比べて家賃が高めに設定されているケースがあります。そのため、コストの面でデメリットになります。安全性と価格のバランスをよく考慮して選びましょう。
オートロックシステムを備えた鍵の種類と特徴
オートロックシステムを備えた鍵には、主に以下の5つの種類があります。
- 集合キー式
- 暗証番号式
- カードキー式
- 非接触(ハンズフリー)キー式
- 生体認証式
ここでは、それぞれの鍵の特徴もあわせてご紹介します。
集合キー式
集合キー式とは、各住居エリアの玄関を開けるための鍵とオートロック機能を持つ共用のドアを開ける鍵が同一のシリンダーキーであるタイプを指します。1つの鍵で複数のドアを開けられるため、鍵をたくさん持ち歩く必要がなく便利なため、オートロックシステムの中では最も広く使われています。
一方で、合鍵を作成するのに管理会社の許可や申請が必要な場合があります。鍵の専門業者に依頼して作成することはできますが、異なる2箇所のシリンダー(鍵穴)を解錠できる仕組みになっていることから鍵の形が少し異なるだけで上手く噛み合わなくなったり、開けることができなかったりするからです。
暗証番号式
オートロックシステムに設置されたテンキーから、暗証番号を入力することで開けられるタイプです。シリンダーキーやカードキーなど、物理的な鍵を持ち歩かなくても解錠することができるため、暗証番号を忘れない限りは閉め出しのリスクが低いのがメリットです。
一方で、暗証番号式のオートロックの場合、背後から暗証番号を盗み見られて侵入されてしまうケースもあり、集合キーやカードキーと比べると防犯性が低いと言えます。また、暗証番号をあまりにもわかりやすい数字にしてしまう(自分の部屋番号など)と、盗み見られていなくても簡単に見抜かれてしまうことも考えられます。
また、一定回数間違えた場合、自動ロックがかかってしまい一定時間が経過しないと入室入館できなくなってしまうケースもあります。暗証番号は、忘れないようしっかり覚えておきましょう。
対処法としては、解錠する際には周囲に誰もいないことを確認してから行うこと、個別に暗証番号を設定できる場合は簡単に見抜かれないような自分だけにしかわからない番号にすることなどが挙げられます。
カードキー式
カードキー式とは、カードを読み取りリーダーに差し込んだり、かざしたりして解錠するタイプのことを指します。多くのカードは交通系ICカードなどと同等のサイズや形状であるため、持ち運びやすいというメリットがあります。
カードキータイプのオートロック機能がついたシステムには大きく分けて磁気カード式とICカード式の2種類があります。磁気カード式は主に差し込み式で、ICカード式は主にかざすタイプの非接触式で使われています。
カードキータイプのデメリットは、紛失の恐れがあるほか、カードが薄いため鞄の中で折れ曲がってしまったり、傷がついたりしてカード内部の情報を読み取れなくなるリスクがあることです。また、特に磁気カードの場合は強い磁気を発するものと一緒に保管しているとカード本体の磁気が弱まってしまい、カード内部の情報が読み取れなくなってしまうリスクもあるので、保管方法には十分に気をつけましょう。
カードキータイプの鍵のメリットや防犯性については、以下の記事で詳しくご紹介しています。ぜひ、あわせてご覧ください。
「カードキーとは?メリットや防犯性、注意点について」
非接触(ハンズフリー)キー式
鍵となるデバイスを持っている状態でドアに近づくことで解錠できるものもあります。買い物帰りで両手がふさがっていて鍵を取り出しにくいなどの場合に便利な鍵です。
生体認証式
指紋認証、顔認証、静脈認証など生体情報を利用し、解錠するタイプのことを指します。これらの情報は複製が非常に困難なため、セキュリティレベルが非常に高い認証方法になります。
一方で、生体認証システムは高額な製品が多く、高いセキュリティレベルを保つ必要があるオフィスの場合は、生体認証式の導入を検討しても良いかもしれません。ただし、生体的特徴によっては認証精度に誤差が生じてしまうこともあります。
オートロックシステムの導入前のポイント
オートロックシステムですが、やはりセキュリティレベルを高められるというメリットは大きいです。そこで、オートロックシステムを導入しようと考えた場合、検討すべきポイントを2つご紹介します。
コスト
オートロックシステムは、認証方法や設置場所によって大きくコストが異なります。メーカーによってもコストは異なるため、一概には言えませんが、集合キータイプや暗証番号タイプは比較的コストを抑えやすく、生体認証タイプは比較的コストが高い傾向にあります。
導入する際には、どこ程度のセキュリティレベルを求めるかによって選ぶべきシステムが変わってくるでしょう。また、製品によっては困った時にサポートしてもらえるのか、故障や破損してしまった場合にどのように対応してもらえるのかも選ぶ際には事前に確認することをおすすめします。
工事が必要かどうか
オートロックシステムを導入するには、ドアの種類によっては設置するために工事が必要な場合があります。例えば、自動ドアなどは電気配線を利用して電力を供給することになるため、管理会社や貸主への申請や大掛かりな工事が必要になる場合があります。
一方、ドアに鍵穴があるタイプやドアにサムターンがついているタイプのドアであれば電気の配線を利用せず、電池を使って電力を供給する電子錠がおすすめです。電子錠であれば導入するのに工事不要で簡単に自分で設置することができ、移転・引越しの際の原状回復も簡単に行えたり、製品によっては移転先や引越し先でも同じ製品を引き続き設置するだけで使用できるため、柔軟に利用できます。
オートロックシステムを導入するならAkerun
後付け型スマートロックAkerunは、サムターン錠に工事不要で簡単に後付けできるもの、自動ドアなどの電気錠にも導入できるものなど、さまざまなドアに対応することができます。
また、外出時にうっかり施錠を忘れた場合でも、ドアが閉まると自動で施錠してくれるオートロック機能も備えているため、無締りを防止できたり、交通系ICカード/スマホ/専用アプリなど施錠方法も複数あるため閉め出しにあるリスクも低くすることができます。
万が一閉め出しが発生した場合でも、カスタマーサポートに問い合わせれば鍵の駆けつけサービスとして鍵業者の派遣にも対応してくれます。
また、「誰が」「いつ」「どこに」出入りしたかなどの入退室の記録/ログを残したり、専用のアプリを使っての遠隔解錠やWeb管理画面から利用者の解錠権限を付与することも可能です。
また、Akerunで取得した入退室情報を使って勤怠管理システムや会員管理システムなど他社のクラウドサービスとAPI連携することで、セキュリティの強化だけでなく業務の効率化も図ることができます。
まとめ
オートロックシステムは、特に共同住宅やオフィスなどの場合、エントランス以外に居住エリアやワークスペースに導入することで、二重に防犯性を高められるメリットがあります。しかし、一方で鍵を忘れて締め出されるリスクなどのデメリットも考えられるので事前に対処する対策を考えておきましょう。
オートロックは種類によっても、ドアの種類やサムターン(つまみ)の形状によって導入方法、コストが異なります。賃貸住宅や賃貸オフィスの場合、原状回復しやすくコストを抑えやすい後付けタイプを導入するのが良いでしょう。
また、「誰が」「いつ」「どこに」出入りしたかなどの入退室の記録/ログ情報をを残したり、専用アプリでの利用や利用者の解錠権限を発行できる製品がおすすめです。ぜひ、自分にあったオートロックを導入して防犯性を高めてください。