勤怠管理はなぜ必要なのか?意義や法改正内容、最適なツール選定まで

2023年04月14日
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勤怠管理の意味とは?

「勤怠」とは従業員の出勤や欠勤を意味する言葉で、勤怠管理とは出退勤をはじめ従業員の労働時間、有給休暇を適正に記録、管理することを指します。タイムレコーダーや勤怠管理システムによって把握した労働時間や休暇記録をもとに企業は毎月給与計算を行う必要があります。

企業が勤怠管理を行う理由

企業が勤怠管理を行う理由は給与計算のためだけではありません。労働基準法の遵守、コンプライアンス面、生産性の向上などの目的の他、2018年に施行された働き方改革関連法には勤怠管理に関わる複数の法改正が含まれており、従来以上に適正な勤怠管理が求められるようになったことも理由として挙げられます。
勤怠管理が必要な理由をトピックごとに解説します。

労働基準法を遵守するため

従業員の労働時間と出社日数が法律で定められた上限を超えていないかチェックするのも勤怠管理の重要な役割の1つです。労働基準法では通常、法定労働時間である1日8時間、1週間に40時間を超えて労働者を働かせることは禁じられています。

法定労働時間を超えて働かせる、いわゆる残業をさせる場合、企業は36協定と呼ばれる労使協定を結び、労働基準監督署に届け出る必要があります。

コンプライアンス遵守のため

労働基準法で定められた労働時間上限を超えて働かせていた場合、企業にとって重大なコンプライアンス違反となります。勤怠管理の徹底不足で過労死や残業代訴訟が起こり、企業名が広く報道されれば罰則を科されるだけでなく「コンプライアンスを守らないブラック企業」という批判を受け信用低下につながります。

法律違反リスクを防ぎ、コンプライアンス遵守するためには経営陣から一般の従業員に至るまでの意識変革と、正確な勤怠管理が可能な仕組みの導入が必要です。

働き方改革の促進

働き方改革関連法の施行によって、長時間労働の是正を求める法改正やワーク・ライフ・バランス、柔軟な働き方を促進する制度が新設されました。これら働き方改革を効率的に進めるためにも適正な勤怠管理が欠かせません。

労働安全衛生法の改正をはじめとする労働者の健康管理に関する法規制、職場のメンタルヘルス対策として正確な労働時間把握が必須となります。また、勤務間インターバル制度やテレワークを導入する際にも、リアルタイムで出退勤が確認できるシステムなど柔軟な勤怠管理方法の活用が有効です。

自社の生産性アップに役立てるため

従業員の勤怠状況を正確に把握することで、残業が多い部署や業務を割り出し、生産性アップに役立てることも可能になります。なぜ残業が多いのか理由を把握することで、適正な人材配置や業務プロセスの改善など無駄な残業を削減する対策ができます。

勤怠管理に関する法改正と必要な対応

近年は勤怠管理に関する法改正が数多くなされ、企業は法律違反リスクを防ぐための対策が必要となりました。特に重要な法改正や制度改正について解説します。

時間外労働の上限規制への対応

大企業には2018年4月から、中小企業には2020年4月から適用される「時間外労働の上限規制」によって、各企業は残業時間を正確に把握し法律違反リスクに備える対策の実施がより重要となりました。時間外労働の上限規制では、残業について以下の規定が定められています。

  • 時間外労働の上限「月45時間・年間360時間」を超えると罰則が適用される
  • 特別条項付きの36協定を結んだ場合でも上限は「月100時間未満、年間720時間以内かつ2〜6カ月平均80時間」の上限を超えると罰則が適用される
  • 違反した場合の罰則は刑事罰で「6カ月以下の懲役または30万円以下の罰金」
参考:厚生労働省|「時間外労働の上限規制 わかりやすい解説」

時間外労働の上限を超えた場合に罰則が設けられたのは初めてで、残業に関する規定が従来よりも厳格化したと言えます。恒常的に労働時間が多い企業では上限超えを防ぐため残業を申請制や残業上限に達しそうな従業員を割り出す仕組みの導入などの対策が必要です。

有給休暇取得の義務化への対応

2019年4月から該当する従業員に年5日の有給休暇を取得させることが義務化されました。従業員の多い企業では、誰がどのくらい有給を取得しているのか把握しきれず、有給に関する勤怠管理が不十分な場合もあります。

有給休暇を所得させなかった際には企業に罰則が科されるため、従業員一人ひとりの有給休暇取得率を把握したり、効率よく有給の申請と承認ができる仕組みを取り入れたりする必要があります。
参考:厚生労働省|「年5日の年次有給休暇の確実な取得わかりやすい解説」

従業員の勤怠状況把握の義務化への対応

2019年に厚生労働省による労働時間把握のガイドラインが改正され、より客観的な勤怠管理方法が推奨されるようになりました。この改正によって従業員の自己申告でなく、タイムカード(タイムレコーダー)や勤怠管理システム、PCログの記録によって物理的に把握することが義務化されました。

また、記録された労働時間と在社時間に明らかな乖離があった場合、企業は実態調査を行い、労働時間を補正する必要があります。
参考:厚生労働省|「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」

勤怠管理の方法とメリット・デメリット

従業員の勤怠管理を行う方法は複数あります。それぞれの勤怠管理方法の特徴やメリット・デメリットを解説します。

タイムカードでの打刻

出退勤時間を打刻できる専用のタイムレコーダー(打刻機)とタイムカードを使う勤怠管理方法です。従業員の人数がさほど多くない職場では一般的な勤怠管理の方法として浸透しています。

メリットとしては手軽かつ低価格な勤怠管理方法であり、特別な知識やシステムを導入しなくても活用できる点です。デメリットは労働時間の自動集計や給与ソフトへのデータ取り込みができず、効率化の面で難がある点、リアルタイムの勤怠管理把握ができずテレワークには不向きな点、改ざんが容易なため厳重な保管が必要な点でなどです。

Excel管理

Excelシート上に従業員が出退勤の時間を入力する勤怠管理方法です。メリットはタイムカードと同じく特別な知識やシステムを導入しなくても活用でき、関数を使えば月の労働時間の集計が容易な点などです。デメリットは厚生労働省の労働時間把握のガイドラインでは推奨されていない方法である点です。

自己申告による勤怠管理の場合、従業員が実際より多く労働時間を申告したり、あるいは従業員が企業により実際より少ない時間を申告してサービス残業を強いられたりするケースがあります。

ガイドラインでは、Excel管理のような自己申告による勤怠管理を行う場合、労働時間と入退場記録やパソコンの使用時間の記録の乖離があった場合に行う調査措置や管理者への十分な説明が必須と定められています。
参考:厚生労働省|「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」

勤怠管理システムの活用

インターネット上や自社システム上で打刻や労働時間集計を行う勤怠管理システムによって勤怠管理を行う方法です。クラウド上で活用できるクラウド型の勤怠システムや、自社の働き方にカスタマイズしやすいオンプレミス型の勤怠システムがあります。

メリットは労働時間の自動集計や給与ソフトとの連携機能によって勤怠管理の効率化が進む点、リアルタイムで出退勤確認ができ誰が出勤や遅刻をしているか把握できる点、客観的な打刻だけでなく、クラウド型であればテレワークに有効なインターネット上の残業や有給申請が可能である点などです。

デメリットは導入にはコストがかかるため、自社にとって最適なシステムはどれか慎重に選定する必要がある点です。一度に勤怠管理システムを大人数が利用する大企業ではシステムの安全性や拠点をまたいだ活用ができるかといった点も重要な視点となります。

ICカード等による入退室管理との連動

自社オフィスや自社ビルの入退室時にICカードや生体認証機能を使って打刻を行う勤怠管理方法です。メリットは勤怠管理システムと入退室管理システムと併用すれば出退勤時のタイムレコーダーへの打刻が不要になる点、セキュリティも強化も可能になる点、入退室時の退勤時間とPCログ記録を紐づけておけば労働時間の乖離があった場合把握しやすいなどの点です。

デメリットは、タイムカード管理や簡易な勤怠管理システムだけで管理する場合と比べ、外付けの鍵やICカードの読み取り機の設置に別途費用が発生する点です。

勤怠管理システム導入のポイント

効率化と客観的な管理が可能な勤怠管理システムを導入する場合のポイントを解説します。

タイムカードやExcelは厳密な勤怠管理に不向き

勤怠管理システムはタイムカードや自己申告で記入するExcelシート上の勤怠管理とくらべ、客観的かつ厳密な勤怠管理が可能です。

タイムカードでは従業員ごとの残業時間や有給取得率を把握できず、Excelシート上の勤怠管理ではガイドラインの基準を満たさず正確な勤怠記録を残せません。法律違反リスクを回避するためには、勤怠管理システムへの切り替えが現実的な手段となります。

テレワーク導入には勤怠管理システムが有効

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響でテレワークの実施と共に、勤怠管理システムを導入する企業も増加しました。クラウド型勤怠管理システムであれば在宅でもリアルタイムで出退勤打刻が行え、出社せずとも各種申請や月締めも実施可能です。

テレワーク時にも厚生労働省の労働時間把握のガイドラインで定められた労働時間の客観的な把握は必要です。テレワーク時のサービス残業による働きすぎや労務トラブルを未然に防ぐためにも勤怠管理システムの導入は有効と言えます。

今後の法改正を見すえた勤怠管理方法が必要

勤怠管理に関わる法改正は毎年のように実施され、企業はその都度、法律違反にならないよう対策を進めなくてはなりません。2021年1月からは子の看護休暇・介護休暇の時間数単位の取得が義務化され、企業は従業員が時間単位で中抜けできる仕組みや勤怠管理のルールを定める必要があります。

タイムカードをはじめとする手作業の勤怠管理方法では、法改正の度に実務にあたる従業員の負担が大きいのが難点です。バージョンアップによって法改正の対応が可能な勤怠管理システム導入を検討する必要があるでしょう。
参考:厚生労働省|育児・介護休業法について

適切な勤怠管理方法の導入で経営リスク削減と生産性アップを実現

時間外労働の上限規制をはじめとする長時間労働是正による過重労働防止の法改正や働き方改革推進のための施策が求められる今、勤怠管理が担う役割も増加しています。不十分な労働時間管理は法律違反や過労死問題などの経営リスクに直結するため、企業規模問わず未然の対策が必要です。

適切な勤怠管理方法の導入は、残業時間の多い不採算事業の見直しや業務改善のきっかけにもなります。経営リスクや業務上の改善点を正確に把握し、全社的な生産性アップを実現するためにも自社に適した勤怠管理のあり方やシステム導入の検討をしてみてはいかがでしょうか。


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