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ボルダリングの無人経営術。人手ゼロでも安全に回る施設のリアル
2026年6月16日
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成長を続けるクライミング市場において、無人・省人化は人件費を抑えて施設の稼働率を高められる有望なビジネスモデルです。ただし、特有のケガ・転落リスクへの対策が不可欠であり、入退室管理システムなどを活用して安全性と省人化を両立させる設計が成功の鍵となります。
「クライミングスペースを始めたいが、安全管理とスタッフ常駐コストがネックになっている」
——そんな課題を抱えるビジネスオーナーや新規事業担当者の方に向けて、本記事では無人・省人化型のボルダリング施設経営について、市場動向から経営数字、料金プラン、成功のポイントまでをまとめて解説します。
ボルダリングは、人件費の高騰と人手不足が続く現在の事業環境のなかでも、無人・省人化との相性が良い数少ないスポーツビジネスです。その理由と、参入前に押さえておきたい勘所を見ていきましょう。
まず、市場としての伸びしろを確認しておきます。
世界的に見ても、クライミングジム市場は成長段階にあります。Grand View Researchのレポートによると、世界のクライミングジム市場は2024年に約33億ドル(1ドル=150円の場合: 約4,950億円)規模に達し、2030年までの年平均成長率は約9.3%になると予想されています。なかでもボルダリング専門施設の増加が業界全体の成長を牽引しているとされています。
日本国内に目を向けると、競技人口・愛好者人口の厚みが市場の支えになっています。公益社団法人 日本山岳・スポーツクライミング協会(JMSCA)の中期経営計画を引いた内閣府消費者委員会の資料では、日本国内のスポーツクライミング競技人口に愛好家を加えると約279万人にのぼります。
また全国では約800施設ものクライミング・ジムが展開されていると報告されています。
これは、いったん減少が予想されていた施設数が、東京2020大会やパリオリンピックの影響で想定とは逆に増加に転じたことを示しています。
ボルダリングが幅広い層に受け入れられている背景には、その始めやすさがあります。屋内なら天候や季節にかかわらず楽しめ、1回1,000円~2,000円ほどで体験できることが多いです。初心者でも挑戦しやすい点が、習い事やフィットネス目的の層を取り込む要因になっています。
さらに、2028年のロサンゼルス五輪に向けて競技としての注目度が続くと見られております。老朽化した小規模ジムの淘汰が進む一方で、冷暖房完備やキッズエリアを充実させた大型・高付加価値店舗への集約が進む「量から質」への転換期を迎えていると分析されています。
つまり、単に壁を用意するだけでなく、運営の効率化と顧客体験の設計が問われるフェーズに入っているということです。
クライミング市場が拡大する一方で、運営側が直面しているのが人件費と人手不足の問題です。
この構造は、ボルダリングに限らずフィットネス業界全体で顕著になっています。矢野経済研究所の調査をもとにした分析では、2024年8月時点で全国のフィットネスクラブ12,543店舗のうち、過去1年間に新設された1,152店舗の71.7%が24時間フィットネスの形態だったとされています。
低価格・セルフ入館を前提としたモデルが急速に広がっており、人手不足と人件費の高騰が続くなかで、人件費を抑えられる無人運営モデルの人気が高まっているのが実情です。
無人・省人化のメリットは、単なるコスト削減にとどまりません。受付スタッフを常駐させずに済めば、営業時間の関係でこれまで通えなかった層などの、たとえば仕事帰りで夜遅くなった社会人や昼間に時間のある層、学校帰りの学生まで、さまざまな客層を取り込むことが可能になります。
施設の稼働時間を最大化することで、家賃や設備投資といった固定費の回収効率も高まります。
経営面の数字を簡単にイメージしておきましょう。ボルダリングは1回あたり1,000〜2,000円程度の利用料金が一般的で、これに月会費制を組み合わせるのが基本です。無人・省人化によって人件費という最大の変動費を圧縮できれば、損益分岐点となる会員数・稼働率のハードルが下がり、立地によっては早期の単月黒字化も視野に入ります。
実際、24時間無人型フィットネスのフランチャイズでは、オープンから数カ月の新規店舗を除けばほぼ全店舗が単月黒字を達成し、6カ月以上の会員継続率が6割以上といった水準を打ち出す事業者も登場しています(※あくまで一例であり、成果を保証するものではありません)。
ボルダリング施設の場合、トレーニングマシンのように高額な機器を多数そろえる必要がなく、壁とホールド、マットが主要な設備になります。設備の入れ替え(課題のリニューアル)は集客の核になる作業ですが、これはスタッフの常駐とは切り離して計画的に行えるため、「営業は無人・課題替えは定期作業」という運営設計が組みやすいのも特徴です。
ここからが本記事の中心です。無人ジム一般のノウハウはフィットネス向けの情報が多く流通していますが、ボルダリング施設には他業態とは異なる固有の注意点があります。参入前に必ず押さえておきましょう。
ボルダリングは、ロープを使わず比較的低い壁を登る競技であるため手軽に見えますが、落下や着地に伴うケガのリスクは無視できません。内閣府消費者委員会に提出された調査資料でも、クライミングジムでの外傷・障害の実態が継続的に調査されており、上肢・下肢ともに一定割合で損傷が報告されていることが示されています。
とくに初心者は安全な登り方・降り方を知らないまま利用するケースがあり、スタッフ不在の時間帯にどう安全を担保するかが最大の論点になります。
無人型フィットネスでもスタッフ不在時の転倒・操作ミスによる事故で初動対応が遅れるリスクが指摘されており、AIカメラの転倒検知や緊急通報ボタンの設置といった対策を強化する店舗が増えています。
ボルダリングではこの観点がさらに重要で、初回利用者向けの動画レクチャーや安全講習の義務化、同意書の電子取得、マットの定期点検フローなどを「無人でも回る仕組み」として組み込む必要があります。
上記の安全管理を踏まえると、ボルダリング施設は完全無人よりも、有人時間帯と無人時間帯を組み合わせた「省人化」運営が現実的なケースが多くなります。たとえば、初心者が集中する日中・夕方は最小限のスタッフを配置し、深夜・早朝は会員限定の無人営業にする、といった時間帯による運営モードの切り替えです。
このとき鍵になるのが、会員の属性や時間帯に応じて入室権限を細かく制御できる入退室管理の仕組みです。安全講習を受けた会員だけに無人時間帯の解錠権限を付与する、といった設計ができれば、安全性と省人化を両立できます。
ボルダリングはリピーターのコミュニティ性が強く、常連客同士の交流や、定期的な「課題替え(ホールドの組み換え)」が来店動機を支えます。無人化を進めるほど、この体験価値が薄れないよう注意が必要です。
SNSでの課題公開、イベント開催、アプリを通じた会員コミュニケーションなど、人手をかけずにコミュニティを維持する工夫が、無人・省人化と集客力を両立させる分かれ目になります。
無人・省人化施設では、入退室管理と会員管理・決済を連動させることで、多様な料金プランを柔軟に運用できます。代表的なモデルを整理すると、おおむね次のような構成になります。
月額会員(通い放題)プラン:一般的に月7,000〜12,000円前後。時間無制限で何度でも利用できるヘビーユーザー向けの主力プランです。
時間帯限定・回数限定プラン:平日昼間限定や深夜・早朝限定など、利用時間を絞って月額を抑えたプラン。空き時間の稼働率を埋めるのに有効です。
都度払い・ビジター利用:1回1,500〜2,000円程度のスポット利用。「幽霊会員」化や月額のもったいなさを背景に、都度払いや回数券へのニーズが高まっていることから、新規客の入口として重要です。
複数店舗共通プラン:複数拠点を展開する場合、すべての店舗を利用できる上位プランを設定することで単価アップを狙えます。
無人・省人化の利点は、これらのプランごとに入室権限を自動で発行・管理できる点にあります。スマートロックと会員管理を連携させれば、平日会員、夜間会員、週末会員など様々な会員プランを作成し、それぞれに適した解錠権限を自動発行する運用が可能になり、受付スタッフがいなくても複雑な料金体系を破綻なく運営できます。
無人・省人化を取り入れた施設運営の参考になる事例を、ニュース・業界メディアの報道からいくつか紹介します。
事例1:低価格×無人運営で全国展開する24時間ジム「ECOFIT24」
エーイーシー株式会社が展開する24時間フィットネスジム「ECOFIT24」は、低価格×無人運営の新たなジムモデルとして支持を集め、2026年4月に全国50店舗を達成しました。従来のジム運営における人件費依存の構造を徹底的に見直し、低価格でも成立するビジネスモデルを確立した点が拡大の原動力とされています。
ボルダリング業態そのものではありませんが、無人運営でいかに固定費を抑えながら出店スピードを上げるか、というモデルの参考になります。
(出典:PR TIMES/エーイーシー株式会社 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000104.000095989.html )
事例2:商業施設・アミューズメント化で広がるボルダリング業態
中小企業ビシネス支援サイト「J-Net21」の開業ガイドでは、ボルダリングとAR(拡張現実)を組み合わせたアミューズメント施設が続々とオープンしております。プログラミングされた映像を壁に映し出して、ゲーム感覚で楽しむ新感覚施設が人気を呼んでいると紹介されています。
ボルダリングは出会いやアトラクションのきっかけとしても楽しめるなど、事業として発展しやすい業種とされ、運営の効率化と体験価値の付加を両立させる方向性が示されています。
(出典:J-Net21/中小企業基盤整備機構 https://j-net21.smrj.go.jp/startup/guide/service/bouldering.html )
事例3:無人運営で事故・初動対応の課題に向き合う24時間フィットネス
業界メディア「ワイマガBiz」の解説記事では、フィットネスジムで人手不足や人件費高騰への対応として無人化・省人化の波が加速し、アプリを使った予約・決済システムやAIカメラによる入退室管理の導入が進んでいるとされています。
一方で無人ジムでは深夜帯の事故で初動対応が遅れるリスクが報告されており、AIカメラの転倒検知や緊急通報ボタンの設置など安全対策を強化する店舗が増えていると指摘されています。安全管理と省人化を両立させる設計思想は、ボルダリング施設にこそ応用すべき視点です。
(出典:ワイマガBiz/Wiz cloud https://012cloud.jp/article/gym-unmanned )
ボルダリングは、競技人口・愛好者人口が約279万人規模まで広がり、世界市場も年率約9%で成長を続ける有望なスポーツビジネスです。一方で、その経営を成り立たせるうえで避けて通れないのが、ケガ・転落リスクへの安全管理と、それを支えるスタッフ常駐コストという二つの課題でした。
この二つは、一見すると相反するように見えます。安全のためにスタッフを置けば人件費がかさみ、人件費を削れば安全管理が手薄になる——。
しかし、入退室管理と会員管理・決済を連動させ、会員の属性や時間帯に応じて入室権限を自動でコントロールする仕組みを導入すれば、「安全講習を受けた会員だけが無人時間帯に入れる」「時間帯ごとに運営モードを切り替える」といった設計が可能になります。
つまり、人を増やすのではなく仕組みで安全と省人化を両立させるのが、これからのボルダリング施設経営の現実解です。
スタッフ常駐に頼らない運営を実現するうえで、入退室管理の仕組みは中核を担います。法人向け入退室管理システム「Akerun」は、工事不要でドアに後付けでき、会員の登録から入退室、決済までをワンストップで管理できるため、ボルダリング施設の無人・省人化運営とも相性が良いソリューションです。会員プランや時間帯に応じた解錠権限の付与、入退室履歴の自動取得、複数拠点の一元管理などにより、受付業務の手間と人件費を抑えながら24時間・365日営業にも対応できます。
提供元である株式会社フォトシンスでは、スマートロック「Akerun」をはじめ、現場オペレーションを担う「Migakun」、店舗の無人化・省人化を支える基幹システム「fixU」を扱っており、「商用施設の無人化をトータルソリューションする」サービスを展開しています。さらに、フォトシンスの強力なパートナーシップを活用することで、システムや運営面だけでなく、無人スタジオの開業に不可欠な「不動産物件」「内装」「業務用機器・什器」を扱う企業のご紹介まで包括的にサポートが可能です。
お問い合わせ・資料請求:https://akerun.com/inquiry_top
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