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経営・戦略
なぜ今、先進企業は『オフィス向けスマートロック』を導入するのか?
2026年7月9日
著者:
物理鍵の紛失リスクや煩雑な勤怠修正といったオフィス課題を、スマートロックの導入によって解決する方法を解説した記事です。市場トレンドや自動化の仕組み、企業の具体事例を交え、セキュリティ強化と業務効率化を両立するメリットを提示しています。
「玄関の鍵を紛失した社員がいて、鍵交換のたびに費用も手間もかさんでいる」「拠点が増えるたびに物理鍵とセキュリティカードの管理が煩雑になっている」
「勤怠管理システムと入退室の記録がバラバラで、打刻漏れの確認に毎月時間を取られている」
——こうした課題でお悩みの方も多いのではないでしょうか。オフィスのセキュリティ強化や管理業務の効率化を検討されている企業にとって、これらの疑問は共通の関心事だと思います。
国内のスマートロック市場は、2025年時点で1億7,396万米ドル(約261億円)規模と推計されており、2034年には3億7,590万米ドル(約564億円)まで拡大すると予測されています。
(年平均成長率8.94%、出典:IMARC Group「日本のスマートロック市場規模、シェア、展望レポート2034年」https://www.imarcgroup.com/report/ja/japan-smart-lock-market)
この記事では、オフィス向けスマートロックがなぜ今注目されているのか、導入によって何が変わるのかまとめています。
そして実際にどのような企業が活用しているのかを、経営者・総務担当者の視点で解説していきます。
スマートロック市場そのものは、グローバルでも急速な拡大を続けています。ある調査会社の統合推計では、
世界全体で2025年に212億米ドル(約3兆1,800億円)だった市場が2035年には706億米ドル(約10兆5,900億円)へ、年平均成長率13.00%で成長すると見込まれています。
(出典:Global Market Insights「スマートロック市場規模、シェア、成長レポート」https://www.gminsights.com/ja/industry-analysis/smart-lock-market)
この拡大を後押ししている背景には、次のようなトレンドがあります。
▪️1つ目は、国内の普及率がまだ低いことです。
2022年時点の国内スマートロック普及率は約1.2%にとどまります。
都市部で30%を超える中国や60%超の韓国と比べると、これから伸びる余地が非常に大きい市場だと言えます。
▪️2つ目は、住宅市場での標準化が進んでいることです。
国内賃貸住宅を多く管理する会社のデータでは、2024年4月から2025年2月までの新規入居者のうち92%がスマートロック搭載物件を選んでいるという結果も出ています。
住宅でスマートロックの使い勝手に慣れた人が増えることは、オフィスでのキーレス化への心理的なハードルを下げる効果があります。
▪️3つ目は、勤怠管理との連携ニーズの高まりです。
労働時間の客観的な把握が企業に求められる中、入退室の履歴をそのまま勤怠打刻に使えるという発想が、総務・人事部門から強く支持されています。
▪️4つ目は、多拠点展開やレイアウト変更への対応力です。
工事不要で後付けできるタイプが増えたことで、オフィス移転やフロア増設のたびに鍵交換や配線工事をする必要がなくなりました。
スマートロックの導入を検討する際、まず気になるのは初期費用と運用コストです。
オフィス向け製品には、既存のドアノブや鍵のつまみに被せるだけで使える「貼り付け(後付け)タイプ」と、シリンダーや電気錠自体を入れ替える「交換タイプ」があり、それぞれ費用感や工期が異なります。
貼り付けタイプは工事不要で初期費0円からのプランもあり、短期間で始められるのが特徴です。
一方、交換タイプはセキュリティ強度や耐久性を重視する会社向きで、初期費用はやや高くなる傾向にあります。
物理鍵での運用とスマートロック導入後を比較すると、次のようなイメージになります。
項目
物理鍵での運用
スマートロック導入後
鍵の紛失・複製リスク
高い(交換費用が発生)
低い(権限をアプリで即時失効)
勤怠打刻との一致
手入力・目視確認が必要
入退室履歴と自動で連携可能
拠点追加時の対応
鍵の複製・配布に時間がかかる
権限をクラウド上で即時付与
来客・取引先への鍵渡し
現地での受け渡しが必要
一時的なアクセス権限を発行可能
料金プランについては、拠点数やドアの枚数に応じた月額課金型が主流です。
小規模オフィスであれば1〜2枚のドアから始め、拠点が増えるごとにライセンスを追加していく形式が、初期投資を抑えながら段階的に管理範囲を広げる方法として広く採用されています。
オフィス向けスマートロックの多くは、以下のようなステップで運用されています。
▪️Step1.権限の登録:社員証やICカード、スマートフォンをスマートロックのクラウド管理画面に登録します。既存のビルのセキュリティカードをそのまま鍵として使い続けられる製品も多く、社員はカードを持ち替える必要がありません。
▪️Step2.解錠:登録済みのICカードやスマートフォンをドアにかざす、またはアプリから遠隔で解錠します。テンキー形式の暗証番号に対応した製品もあり、来客や一時利用者には期間限定のコードを発行できます。
▪️Step3.入退室履歴の記録:誰が、いつ、どのドアを解錠・施錠したかがクラウド上にリアルタイムで記録されます。この履歴は管理画面から一覧で確認でき、複数拠点をまとめて把握することも可能です。
▪️Step4.勤怠管理システムとの連携:freeeやKING OF TIME、TeamSpiritなどの勤怠管理システムとAPI連携することで、最初の入室と最後の退室がそのまま出勤・退勤の打刻として自動的に反映されます。打刻漏れによる月末の修正作業が大幅に減るのが大きな利点です。
▪️Step5.権限の見直しと退社対応:異動や退職があった場合も、物理鍵の回収・複製といった手間はなく、管理画面上で該当する社員の権限を即時に取り消すだけで対応が完了します。
貸し会議室やレンタルスタジオといった時間貸しの空間ビジネスと違い、オフィス向けの導入では次のような点に配慮が必要です。
まず、既存のビル管理会社が発行しているセキュリティカードとの共存です。ビル全体のセキュリティルールを守りながら、オフィス内の各部屋の解錠権限だけを別途スマートロックで管理したいというニーズが多く、1枚のカードで両方に対応できる製品選びが重要になります。
次に、ISMSやプライバシーマークといった外部ガバナンス基準への対応です。入退室履歴を改ざん不能な形でクラウドに記録できることは、外部審査の際に労働時間や情報管理の客観的な証拠として提示できるという意味で、企業の信頼性強化にも直結します。
また、停電や通信障害への備えも見落とされがちなポイントです。
乾電池駆動の製品であれば地域の停電の影響を受けにくく、一度クラウドから同期された暗証番号を端末側でも保持しておく設計であれば、通信が一時的に途切れてもその場で照合・解錠ができます。
電池残量が減った際は管理者へ自動でアラートが届く仕組みも、締め出しトラブルの予防に有効です。
株式会社マネーフォワード様は、京都の開発拠点を新設する際、イニシャルコストの低さを重視してスマートロックの導入を決めました。
ビルに既存のセキュリティカードをそのままスマートロックの鍵として活用し、オフィスの解錠権限をカード1枚に集約。
さらに勤怠管理システム「KING OF TIME」と連携させたことで、入退室するだけで打刻データが自動反映されるようになり、月末に発生していた打刻漏れの修正業務が大幅に減少しました
(▶ 出典:Akerun導入事例 https://akerun.com/casestudy/detail_moneyforward/)。
BSP税理士法人様は、士業事務所ならではの「人」と「場所」の課題解決のためにスマートロックを導入しました。
移転を機にエントランスへ設置し、クライアントの機密情報を守るセキュリティ強化を実現しただけでなく、入退室履歴から社員の出社・退社時間をリアルタイムに把握できるようになったことで、オーバーワークの早期発見や業務量の見直しにも活用されています。
(▶ 出典:Akerun導入事例 https://akerun.com/casestudy/detail_bspartners/)
株式会社ドロップシード様は、複数拠点を運営する中で、API連携によるセキュリティ向上と勤怠管理の効率化を同時に実現しました。
ABW(Activity Based Working)の考え方を取り入れたサテライトオフィス運用にも対応し、拠点間で解錠権限を柔軟に付与できる体制を構築しています。(▶ 出典:Akerun導入事例 https://akerun.com/casestudy/detail_dropseed/)
オフィスのスマートロック導入は、単なる「鍵の電子化」ではなく、物理鍵の管理コストとセキュリティリスクをシステムに置き換え、勤怠管理やガバナンス強化まで一気通貫で実現する経営投資です。以下のような立場の方は、一度検討してみる価値があります。
拠点の増設・移転が多く、鍵やセキュリティカードの管理に手間がかかっている総務・人事担当者の方
打刻漏れの修正作業や勤怠管理の集計に毎月時間を取られている労務担当者の方
ISMSやプライバシーマークの取得・更新に向けて、客観的な入退室記録を残したい情報セキュリティ担当者の方
既存のビルセキュリティカードを活かしながら、オフィス内の部屋ごとに解錠権限を分けたいと考えている経営者の方
会議室や共有スペースなど、時間単位での貸し出しや従量課金を組み合わせた運用を検討している場合は、顧客管理・請求管理・決済をワンストップで担う基幹システム「fixU」と組み合わせることで、社内の遊休スペースの有効活用まで含めた設計が可能になります。
フォトシンス(Akerun/Migakun/fixU)のご紹介
提供元である株式会社フォトシンスでは、スマートロック「Akerun」をはじめ、現場オペレーションを担う「Migakun」、店舗やオフィスの無人化・省人化を支える基幹システム「fixU」を扱っており、業界最大級のAPI連携を軸に、企業のオフィスセキュリティ強化と業務効率化をトータルでサポートするサービスを展開しています。既存の勤怠管理システムやビルのセキュリティ設備との連携についても、お気軽にご相談ください。
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