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労務とは
「労務」とは、企業で働く人の「労働環境」「労働時間」「労働報酬」の管理など、労働に関わる関連業務のことを指します。
労務では、各種の労働法制などをもとに賃金の支払いなどが正しく行われるような職場環境づくりや従業員の勤怠管理なども行います。
労務の仕事内容については次章「労務担当者の仕事内容」で詳しく解説します。
労務を行う部署や人
労務を行う部署は企業によって違いがありますが、専門の部署を備えている場合や、総務や経理、または両方を兼任して担当している場合もあります。
また、小規模な会社やスタートアップ企業では部署や専任担当者を置かずに経営者が労務を行ったり、労務知識のある人が担当者になり行っているケースもあります。逆に大規模な企業では、労務専門の部署を持ったり、外部の業者に委託するケースもあるでしょう。
労務におすすめの資格
資格がなくても労務の仕事をすることはできます。しかし、労務の仕事は専門知識が必要になることも多いことから、資格を取得することでより幅広い業務に対応できるでしょう。労務関連の主な資格は以下の通りです。
- 社会保険労務士
- メンタルヘルスマネジメント検定
- 衛生管理者
社会保険労務士
社会保険労務士法に基づく国家資格の一つです。労務に関する法律を理解し、雇用や労働に関する正しい知識のもと、健全な企業の人事労務管理をサポートすると同時に、労働者が心身ともに健康に働ける環境づくりのサポートも行います。
メンタルヘルスマネジメント検定
50名以上の従業員を抱える企業では、年に1回ストレスチェックが義務づけられています。メンタルヘルスマネジメント検定に合格することで、職場などにおけるメンタルヘルスに関する知識を活用し、人事労務におけるサポートを行うことができます。
衛生管理者
50名以上の従業員がいる企業では衛生管理者を1人配置することが義務となっています。衛生管理者は衛生的な労働環境の整備や維持などを行い、労働者の心身の健康を守るサポートができます。
これらの資格がなくても労務の仕事はできますが、取得することでより働きやすい職場づくりに役立つ人材として活躍できるでしょう。
労務担当者の仕事内容
労務とは、企業で働く人の労働環境や労働時間、労働報酬などの管理を行う仕事ですが、実際にどのような仕事内容があるのかを見ていきましょう。
- 入職・退職手続き
- 勤怠管理
- 給与計算
- 保険手続き
- 規則・規程の策定と周知
- 安全衛生管理 など
入職・退職手続き
労務の主な業務として、従業員の入職・退職時の各種手続きなどがあります。入職者に対しては労働契約書を作成し、入職者から必要な書類を預かり、入社手続きを行います。また、入職者がこれから安心して会社で働けるよう労働契約内容や社内規則の説明を行います。
退職者には労働契約の解除と同時に雇用保険、健康保険や厚生年金保険を解除するなどの退職手続きを行い、会社から貸与していた備品の回収や在職中に得た情報の取り扱いなどについても退職者に説明します。
保険の手続き
新たに従業員が入職する場合や退職者が出た場合には法令に則り、厚生年金、健康保険、雇用保険等の手続きを行います。 また、従業員が就業時間内にケガをしたり、メンタルヘルスへのケアが必要な場合は労災保険制度や傷病手当金などの手続きも行います。ほかにも扶養家族がいる場合は、扶養家族の分の保険手続きなどを行います。
勤怠管理
従業員が労働契約に基づいた時間に就業しているかどうかを管理します。また、従業員が労働基準法に基づき正しく休憩時間や休暇を取得しているか、残業時間が多すぎないかなど、従業員一人ひとりが心身ともに無理なく仕事できているかを把握し、必要があれば従業員の上長に勤怠状況を報告したり、相談するなどを行う場合もあります。
労務の職務のなかでも「従業員一人ひとりが心身共に健康な状態で、働きがいをもって仕事ができているか」を確認・管理することは重要であり、法令上も従業員の労働時間を把握することは必須です。
その中でも勤怠管理は、給与計算にも関わってくるため、正確な労働時間の把握や適切な労働時間が守られているかを把握することは、労務に欠かせない職務の一つです。
給与計算
給与の計算をすることも労務の仕事の一つです。企業によっては、経理が担当することもあります。タイムカードや勤怠管理システムの出退勤などの情報をもとに、雇用契約の内容と労働基準法に基づいて適正な給与計算を行い、給与支払いの手続きを行います。
給与計算の際には、控除の対象となる源泉所得税、健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料などの計算も行います。
就業規則の策定や周知
常時10人以上の従業員がいる場合、労働基準法第89条の規定により、就業規則を作成し、管轄の労働基準監督署へ届け出ることが義務付けられています。
そのため労務担当者は、全従業員が安全かつ安心して働けるように就業規則を作成・周知して、就業規則が守られているかどうかを管理・監視していく必要があります。
安全衛生管理
企業には「従業員が心身の過度なストレスなく労働できる環境を提供すること」が求められており、1年に1度ストレスチェックを行う義務があります。このストレスチェックの実施も労務の仕事の1つです。
例えば、企業は従業員の健康を守るため、1年に1度の健康診断を従業員に受診させる必要がありますが、この際に提携している健診センターや医療機関と従業員の間に入り、健康診断に必要な書類を伝えたり、診察の日程を調整したり、診断結果を受け取り従業員に渡したりする作業などが発生した場合はそれも労務が担います。
ほかにも従業員が健康で安全に就業できるよう労働安全衛生法に則った衛生管理に努めたり、防災対策を行ったりするのも労務の仕事です。
時代とともに重要視される労務管理の仕事
2019年4月の労働安全衛生法の改正で従業員の労働時間を客観的な方法で適正に把握することが義務化されたことで、従業員の健康管理が改めて重要視されるようになり、適正な労働環境の整備と無理のない就業時間の管理が、以前にも増して求められるようになりました。
これにより労務担当者は、従業員の心身の健康状態の把握と、正確な勤怠状況を把握することが欠かせなくなりました。特に過重労働などが社会問題化したこともあり、「従業員に過重な労働をさせない環境づくり」は企業の重要課題の一つになっています。
労務の仕事を効率化するための勤怠管理システム
先にも述べたように、適正な労働環境の整備と無理のない就業時間の管理が求められるなか、多くの企業が勤怠管理システムを導入しています。
従業員の出退勤や休憩・休暇などの就業時間の管理を行えるシステムのこと。従業員は就業開始と終業時にシステムに打刻することで、労働時間を労務担当者に報告でき、休暇申請などもシステムを通して行えるため企業は、勤怠情報を集計/一括管理することができます。
勤怠管理システムは、勤怠管理を効率化し、労務担当者の負担を軽減できる便利なシステムです。導入するとどのようなメリットがあるのか、具体的に見ていきましょう。
勤怠管理システムを導入するメリット
勤怠管理システムの導入にはさまざまなメリットがあります。
集計作業の自動化
勤怠管理システムは各従業員が出勤・退勤時の打刻を行ったり、休暇の申告をシステム上で行うと実働時間の自動集計・計算だけでなく、労働基準法に則った休憩時間や取得が必要な有給日数などを自動で計算・通知してくれるのため、労務担当者の集計作業の負担が大きく軽減されます。
コスト削減
従来型のタイムカードなどで勤怠管理を手作業で行うのはかなりの手間と時間がかかりますが、勤怠管理システムを導入することで勤怠管理にかかる手間と時間を大幅に削減できます。
また、勤怠管理システムを導入すると残業が多い部署や従業員、曜日、時間などのデータを可視化しやすくなるため、残業の偏りや課題を解決することに役立ち、効率の良い働き方の実現や人件費の効率化にもつながることが期待できます。
また、従来型のタイムカード方式の勤怠打刻のための機器も不要になったりと、設備関連費用の削減にもつながります。
不正打刻の防止
打刻履歴や修正を管理者側で把握できるようになるため、不正な打刻がないか監視し、サービス残業など従業員の健康を損なう可能性のある行為を未然に防ぐことができます。
このほかにも勤怠管理システムは、労働関連法の改正などがあった場合でも、新しい法令に合わせてシステムが自動でアップデートされたり、リモートワークやフレックスタイム制などの柔軟な働き方にも対応できる機能があらかじめ備わっていたりと、労務担当者の負担を大幅に軽減することが期待できるでしょう。
勤怠管理システムを選ぶポイント
多くの会社が勤怠管理システムを提供しており、システムを選ぶ際は何を基準にすればよいか悩まれることでしょう。勤怠管理システムを選ぶ際には以下の2つのポイントを踏まえることで、自社にとって最適な勤怠管理システムを選ぶことができるでしょう。
オンプレミス型か、クラウド型か
勤怠管理システムには主にオンプレミス型とクラウド型の2つの種類があります。オンプレミス型とは、自社内に専用の機器やシステムを用意し、利用するシステムです。一方、クラウド型はインターネットを通じてWeb上で利用できるシステムです。クラウド型は従業員の自宅や営業先でも打刻や各種申請が可能なため、リモートワークを採用していたり直行直帰が多い従業員がいる企業におすすめです。
ほかの業務システムと連携できるか
勤怠管理システムは従業員/労務担当者の両者にとって非常に利便性の高いシステムですが、さらにほかの業務システムと連携することで、より効率的に利用することが可能です。
たとえば、社内のチャットツールと連携できる勤怠管理システムであれば、出退勤の打刻をチャットツール上で行うことができます。これは直行直帰がメインの部署やリモートワーク中心の会社などでコミュニケーションが不足しがちな中、社内全体で出退勤を共有できるため出欠確認がしやすいというメリットがあります。
また、勤怠管理システムを導入していても「打刻漏れ」が多く発生している場合は、オフィスへの入退室の際に利用できるスマートロックと連携できる勤怠管理システムを選ぶと、オフィスへの入退室がそのまま勤怠打刻として自動で反映されるため、打刻漏れがなくなり、労務担当者の負担が大きく削減できます。
オフィスへの入退室記録が勤怠管理システムと連携できるAkerun
多くの企業の労務担当者が出退勤の打刻漏れに悩まされています。打刻忘れや打刻漏れが1件でもあると月末の集計作業や給与計算が行えず、打刻漏れがある従業員に連絡し、修正作業をお願いすることになります。しかし、連絡しても業務中ですぐに修正を行えない場合もあり、労務担当者の負担が毎月の課題になっている企業も多いことでしょう。
そんな課題を解決するには、Akerunの入退室管理システムと勤怠システムを連携させる方法がおすすめです。Akerunはオフィスに入る際にICカードやスマホアプリをカードリーダーにかざして入退室ができるスマートロックです。また、Akerun入退室管理システムは、入退室の記録/ログを勤怠管理システムに自動連携させることができ、その入退室の記録がそのまま勤怠打刻として勤怠管理システムに自動で反映されるため、打刻漏れを減らすことができます。
Akerun入退室管理システムは、ジョブカン、King of Time、freee勤怠管理、TeamSpiritなどさまざまな勤怠管理システムと連携できるなど、導入企業は高い利便性を享受できます。以下で導入した企業の声を紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
スタッフごとに異なるシフト管理が楽になった事例
結婚式場の運営で安全管理のためAkerun入退室管理システムの導入を決めた企業では、職種ごとに異なる出退勤エリアと出退勤時間の管理が労務担当者の負担になっていました。
そこでAkerunの入退室管理システムを導入したところ、エリアや時間帯によって解錠権限を制限できるスマートロックによりセキュリティ管理がしやすくなったうえ、それぞれ異なる出退勤時間の勤怠管理も、スマートロックの入退室記録/ログを使って楽にできるようになったといいます。
この事例をもっと知りたい方はこちらをご覧ください。
鍵の管理がなくなり、ワークライフバランスの見直しも実現した事例
ゲームの企画・開発・運営を行うスタートアップ企業では、残業や休日出勤も多く、そのたびに物理的な鍵を社員に貸し出すなど鍵管理が煩雑化したり、従業員の労働時間の適正な把握が難しかったりする課題を抱えていました。
そこでAkerunの入退室管理システムを導入し、従業員の利用する交通系ICカードをスマートキーにしたことで、従来のような物理鍵の管理が不要になり、オフィスの施錠・解錠の状況もWeb管理ツールやスマホアプリから把握できるようになりました。さらに既存の勤怠管理システムと連携させたことで、誰がどのくらい残業しているのかがクラウド上で簡単に把握することができ、従業員のワークライフバランスの見直しに役立てることができたといいます。
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既存のセキュリティカードや勤怠管理と連携し、労務管理の負担が軽減した事例
システム開発を行っている企業では、拠点の立ち上げ時にスマートロックの導入を検討し、Akerunを導入しました。
Akerunにより、オフィスビルの入退館に使用するセキュリティカードをそのままオフィスに入る際のスマートキーとして利用することができ、鍵を一元化することで利便性を向上しています。さらに入退室の記録を勤怠管理システムと連携したことで労務管理の負担を軽減できたといいます。
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それぞれの企業の課題や環境に柔軟に対応できるからこそ、Akerunは累計7,000社以上の導入実績があります。鍵の管理や勤怠管理の負担を軽減したい方は、ぜひAkerunも検討してみてはいかがでしょうか。
まとめ
労務の仕事は、従業員が心身共に健康に働ける職場環境の構築をサポートする重要なものです。その業務は社員の入退職に伴う手続きから日々の労働時間や労働環境の管理、毎月の給与計算や福利厚生など多岐にわたります。さらに、企業が健全に事業運営していけるよう労働基準法や労働安全衛生法などを理解したうえで管理業務に取り組む必要があります。
特に日々の勤怠管理は、従業員の心身の健康や会社の健全な運営のために欠かせないものです。勤怠管理システムを導入することで労務担当者は、勤怠管理の負担を軽減することができ、そのほかの業務にリソースを割くことができるでしょう。労務の方もその会社で働く従業員の方も、より働きやすい職場づくりにこの記事をお役立てください。