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経営・戦略
店員ナシで24時間!無人eスポーツ&ゲームカフェが今、狙い目な理由
2026年6月16日
著者:
拡大するeスポーツ、ゲームカフェ市場において、スマートロック等のシステムを活用した無人・省人化店舗は、24時間営業の人件費を抑え利益率を高められる有望な業態です。一方で、行政条例に伴う本人確認義務や高額機材の盗難、チートによる店舗BANといった特有のリスクに対し、設計段階から仕組みで対策することが成功の鍵となります。
「eスポーツ施設を開業したいが、24時間営業の人件費が重い」「ゲームカフェの省人化は本当に実現できるのか」——こうした疑問を持つビジネスオーナーや新規事業担当者が増えています。
国内のeスポーツ市場は安定した成長を続け、プレイヤーやファンが集まる「場」としての店舗ニーズが高まっています。一方で、ハイスペックPCの維持や深夜帯のスタッフ確保といった独特の運営負荷が、参入の壁になっているのも事実です。
この記事では、無人・省人化のゲームカフェおよびeスポーツ施設について、市場データ、稼働率や単価といった経営の大枠、この業態ならではの配慮ポイント、料金プランモデル、そして代表的な事例までを、これから検討する方が全体像をつかめる粒度で整理します。
まず押さえておきたいのが、市場が確実に伸びているという事実です。
一般社団法人日本eスポーツ協会(JESU)の『日本eスポーツ白書2025』によると、2024年の国内eスポーツ市場規模は前年比9.9%増の約161億円に達し、2026年には200億円超に到達すると予測されています。
競技人口は推計419万人、試合観戦や配信視聴を含むファン数は約967万人にのぼり、このファン数は2026年までに1,500万人規模へ拡大するとみられています。
出典:一般社団法人日本eスポーツ協会「eスポーツの市場と推移」 https://jesu.or.jp/contents/about-market/
注目したいのは、市場の中身が変化している点です。かつて市場の約7割を占めていたスポンサーシップ収入は2024年には36.3%まで比率を下げ、代わってリアルな熱量を生む「イベント運営」が37.3%を占めて最大セグメントへと成長しました。
これは、ファンが受け身の視聴者から、空間やコミュニティを能動的に楽しむ層へと変わってきていることを意味します。
出典:note「【2026年最新】eスポーツ市場規模・成長率を国内/世界データで徹底解説」 https://note.com/sync_sz/n/n6715151f3b60
つまり、プレイヤーやファンが実際に集まる物理的な拠点——eスポーツカフェやゲームスペース——の重要性は、むしろ高まっているのです。
ところが、この業態には独特の運営コストがのしかかります。ハイスペックなゲーミングPCの維持管理、最新タイトルへのアップデート対応、深夜帯を含む常時受付など、業務は高度かつ多頻度です。人件費の高騰や夜間スタッフの確保難も深刻化しています。
そこで鍵を握るのが、フィットネスジムやコワーキングスペースで普及が進む「スマートロックを用いた無人・省人運営」の仕組みを、eスポーツ店舗に応用するという発想です。予約・決済・施解錠を自動化すれば、24時間営業をスタッフ不在に近い形で回すことが可能になります。
具体的な経営イメージをつかむために、「30坪・PC20台規模」のモデルで大枠の数字を見てみましょう。細かい収支計算ではなく、あくまで全体感を持っていただくための目安です。
eスポーツカフェの客単価は、利用時間や席のスペックによって幅がありますが、おおむね1時間あたり350円〜1,000円前後が一般的なレンジです。たとえば1日平均60人の来店、客単価1,000円、月26日営業と仮定すると、年間売上はおよそ1,872万円という試算になります。
出典:IDEAL「ネットカフェの開業資金はいくら?年収・業態・資格・許可・事例も紹介」 https://ideal-shop.jp/news/start/63200/
スケルトン物件から30坪規模のeスポーツカフェを開業する場合、内装工事は坪単価40万〜80万円程度が相場で、ハイスペックPCや周辺デバイス、ネットワーク・電源・空調などを含めると、総額でおおよそ1,370万〜2,950万円のレンジに収まります。ゲーミングPCはGPUやCPUが高価なため、ハードウェア比率が高くなりやすいのが特徴です。
出典:株式会社PCCS「eスポーツカフェの開業に必要な費用について」 https://www.pccs.co.jp/blog/1784/ 内装工事レビュー「eスポーツカフェで開業して成功する秘訣とは?」 https://naisou-kouji-lease.jp/media/e-sports-cafe-naisou/
無人・省人化の最大のメリットは、人件費と運用コストの圧縮です。
従来型の有人24時間店舗では、深夜スタッフを含めて月40万〜80万円規模の人件費がかかりますが、スマートロックと予約システムの連携により、清掃やメンテナンスのスポット人員のみで運営すれば、月15万円以下に抑えることも可能です。ゲームのアップデートやリカバリーを自動化すれば、手作業に費やしていた管理工数も削減できます。
従来型カフェの利益率が10〜20%程度にとどまるのに対し、無人運営化と24時間稼働の最大化により、利益率を30%以上に引き上げられるケースもあります。
出典:株式会社PCCS(前掲)/Gym's「スマートロック連携」 https://gyms.jp/function/Pxnm7KXh
要するに、「単価はそこまで高くなくても、人件費を削り稼働時間を伸ばすことで利益を残す」というのが、この業態の省人化モデルの基本構造です。
ここがこの記事で最も重要な部分です。無人・省人化のeスポーツ施設は、コワーキングスペースや無人ジムにはない、3つの特殊なリスクを抱えています。これを理解せずに開業すると、行政処分や高額機材の被害、深刻なトラブルに直面しかねません。
東京都をはじめ複数の自治体は、不特定多数にネット接続端末を提供する事業者に対し、厳格な本人確認義務と記録保存義務を課しています。無人でこれを怠ると、条例違反として営業停止や罰金の対象になり得ます。
出典:警視庁「インターネット端末利用営業のしおり」 https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/about_mpd/keiyaku_horei_kohyo/horei_jorei/in_cafe_jorei/business.files/20260420_shiori.pdf
解決策は、オンライン本人確認(eKYC)を予約システムに組み込み、本人確認が完了した会員だけにスマートロックの解錠権限を発行する仕組みです。これにより「身元が確認された人物しか入店できない」という物理的なフィルターを作り、条例上の義務を実質的に満たせます。
eスポーツPCには1枚数十万円のグラフィックスボードが搭載されており、転売目的の窃盗ターゲットになりやすいのが現実です。実際に、防犯カメラのある有人店舗でもグラボが抜き取られる事件が起きています。
出典:ITmedia NEWS「eスポーツカフェでグラボ盗難か 運営会社が防犯カメラ映像公開」 https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2206/17/news143.html
無人運営では、PCケースの物理ロック、複数台の防犯カメラ、機械警備の連動が不可欠です。さらに、スマートロックの入退室ログと防犯映像を突き合わせれば、誰がいつ入店したかを特定でき、抑止力として強く機能します。
これはeスポーツ施設に特有のリスクです。『VALORANT』などの競技タイトルでは、利用客の1人がチートを使うと、そのPCのハードウェアIDや店舗の回線IPごと不正と判定され、店舗全体でそのゲームがプレイできなくなる恐れがあります。実際に店舗全体の稼働が止まった事例も報じられています。
出典:ROUND UP GAMERS「グラボ盗難の次は店舗BAN…新大久保『e-sports cafe』でチーターへの鉄槌が思わぬ形で降り注ぐ」 https://roundup-gamers.jp/article/2022/07/05/120.html
対策は、PC起動ごとにディスクをクリーンな初期状態に戻す「瞬間復元ソフト」の導入と、利用規約での違約金条項の明示、そして入退室ログと利用セッションの紐付けによるトレーサビリティの確保です。これにより、悪質な利用者が店舗を隠れ蓑にすることを防げます。
この3つは、いずれも「無人だからこそ」設計段階から仕組みで解決しておく必要がある点が、他業態との大きな違いです。
無人・省人化のeスポーツ施設には、大きく2つの運営モデルがあります。ターゲット層と防犯リスクの許容度に応じて選びます。
フロアに20〜40台のオープン席や半個室を配置する、標準的な大型eスポーツカフェです。コミュニティが活発な昼〜夕方はスタッフを1〜2名常駐させ、深夜・早朝はスマートロック認証のみの無人営業に切り替えます。本人確認済みの会員だけが入館できる状態を作るのがポイントです。PC台数が多く大会やチーム対戦に強い一方、無人時間帯の共連れや盗難への対策が課題になります。
防音個室にPCや音響設備を備え、グループ単位で部屋ごと貸し出す予約制スペースです。身元の特定された単一グループだけが空間を占有するため、盗難・破損リスクが低く、清掃のみでスタッフ不在の運営を維持しやすいのが利点です。
実在するモデルBの料金例(山形県・HIDE OUT NAGAI)を参考に、貸切型の月額・時間課金イメージを示します。
プラン(時間帯)
料金(税込)
基本定員
追加料金
日中プラン・平日(10:00〜20:00)
3,300円/1時間
5名まで
+550円/名(1時間あたり)
日中プラン・休日(10:00〜20:00)
5,500円/1時間
10名まで
ナイトパック・平日(20:00〜翌2:00)
8,800円/6時間
+1,100円/名(パック全体)
ナイトパック・休日(20:00〜翌2:00)
16,500円/6時間
出典:PR TIMES「【長井市初】無人・完全貸切のアミューズメント施設『HIDE OUT NAGAI』2026年6月1日オープン」 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000007.000176745.html
オープン型が「1人あたり時間課金」で稼働量を積み上げるのに対し、貸切型は「グループ単位の室料課金」で客単価を確保します。少人数利用では割高になりやすいため、複数人での利用需要をどう取り込むかが収益のカギです。
2026年6月にオープンした、無人・完全貸切のアミューズメント施設です。利用者はWebで予約・事前決済を行い、予約時間中のみ有効な解錠用QRコードを受け取って非対面で入退室します。防音個室をグループで占有する形のため、飲食持ち込みも自由で、清掃・メンテナンスのみで運営できる点が特徴です。
参照:PR TIMES https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000007.000176745.html
複合カフェを展開するランシステムは、遠隔映像での接客を取り入れ、わずか2〜3名の遠隔スタッフで多数店舗の接客・管理を行う体制を構築しています。顔出し接客で信頼関係を保ちつつ、締め出しなどのトラブル時には遠隔でドアを開錠するなど、現地人員を抑えながら有人店舗に近い安心感を維持しています。eスポーツ施設の省人化を考えるうえで参考になるオペレーション事例です。
参照:Safie「自遊空間に学ぶ『無人店舗運営』の最前線」 https://safie.jp/article/post_24463/
拡大を続けるeスポーツ市場の中で、無人・省人化のゲームカフェやeスポーツ施設は、人件費という最大の壁を仕組みで乗り越えられる有望な業態です。客単価はそれほど高くなくても、24時間稼働と省人化によって利益率を高められる構造に、大きな可能性があります。
一方で、本人確認義務・高額機材の盗難・チートによる店舗BANという3つの特殊リスクを、設計段階から仕組みで解決しておくことが成功の前提になります。
そして、こうした「遊休スペースを無人で収益化する」という発想は、eスポーツに限りません。レンタルスペース、無人ジム、そして近年注目される無人収録スタジオなど、新しいニッチビジネスへと応用が広がっています。自社が持つスペースをどう収益化するか——その選択肢として、無人・省人化モデルを検討してみてはいかがでしょうか。
無人・省人化の店舗運営を支える仕組みとして、入退室管理スマートロック「Akerun」があります。既存の扉に後付けでき、予約・決済システムとのAPI連携によって、本人確認済みの利用者だけにデジタルのキーを発行・管理できます。24時間運営や無人店舗の立ち上げを検討する際の選択肢として、ぜひ参考にしてください。
参照:Akerun「無人化・省人化による24時間運営ビジネスを立ち上げたい」 https://akerun.com/solution/24hours_nmanned/
提供元である株式会社フォトシンスでは、スマートロック「Akerun」をはじめ、現場オペレーションを担う「Migakun」、店舗の無人化・省人化を支える基幹システム「fixU」を扱っており、「商用施設の無人化をトータルソリューションする」サービスを展開しています。さらに、フォトシンスの強力なパートナーシップを活用することで、システムや運営面だけでなく、無人スタジオの開業に不可欠な「不動産物件」「内装」「業務用機器・什器」を扱う企業のご紹介まで包括的にサポートが可能です。
※お問い合わせ:https://akerun.com/inquiry_top
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