入退室管理
著者:
国木ゆうこ
公開日:
「大宮やさいたま新都心にテナントビルを持っているが、サテライトオフィスや貸し会議室として収益化できないだろうか」
「法人向けに貸し出したいけれど、企業が求めるセキュリティ基準や入退室の管理を自社で満たせるか不安だ」
「さいたまスーパーアリーナのイベント時にスポットで需要があるのは分かるが、その都度スタッフを常駐させると人件費が見合わない」
さいたまエリア(大宮・さいたま新都心・浦和)でサテライトオフィスや時間貸し研修施設の開業を検討されている方にとって、こうした疑問は共通の関心事ではないでしょうか。
都心の高い賃料を避けつつ、居住地に近い拠点を弾力的に確保したい——そんな企業ニーズの受け皿として、このエリアの存在感が高まっています。
その追い風は、企業の移転動向にも表れています。帝国データバンクの調査によると、2016年から2025年までの10年間で他都道府県から埼玉県へ本社を移した企業は2,118社にのぼり、転出(1,579社)を大きく上回る539社の転入超過で、全国では神奈川県に次ぐ2位。
2025年単年の転入超過数は55社で全国1位となりました。転入元は東京都が最多、業種ではサービス業、年商規模では1〜10億円未満の中堅・中小企業が中心です。
▶ 出典:帝国データバンク「埼玉県・『本社移転』動向調査(2025年)」 https://www.tdb.co.jp/report/economic/20260413-relocation25cy-saitama/
本記事では、スマートロック「Akerun」を活用したさいたまエリアの無人・省人型サテライトオフィス/研修施設について、市場の有望性・経営の大枠などを解説していきます。
さいたまエリアでこの業態に商機が生まれている背景には、大きく4つの要因があります。
▪️1. 都心からの企業移転と「コスト最適化」ニーズ
完全出社への回帰が進む一方で、都心の高額な固定賃料を避け、居住地に近いサテライトオフィスやハイブリッドワークでコストを最適化する企業行動が広がっています。前述のとおり埼玉県は本社移転で全国上位の転入超過を記録しており、その多くが東京都からの中堅・中小サービス業です。
▪️2. 大規模都市開発による拠点インフラの充実
さいたま新都心・大宮エリアでは大型開発が相次いでいます。さいたま市は新庁舎をさいたま新都心へ移転する計画を進めており、駅直結の複合施設やハイグレードオフィスビルの竣工も続いています。こうしたインフラは大企業の地方拠点や中堅企業のサテライト需要を誘発します。
▪️3. 大型ビルを直接借りられない層の「フレキシブル需要」
最新オフィスビルは基準階面積が広く、一画を直接賃貸できるのは資本力のある大企業に限られがちです。そのため、必要な時間や席数だけを弾力的に確保できるサテライトオフィス・貸し会議室・共同利用型研修施設の重要性が急速に高まっています。
▪️4. さいたまスーパーアリーナのMICE連動需要
国内屈指の大規模多目的ホールであるさいたまスーパーアリーナでは、コンサートやスポーツに加え、大規模な産業展示会・商談会・就職イベントが頻繁に開催されます。開催時には出展企業・出張者・参加学生が集中的に滞在し、商談の続き、臨時のWeb会議、分科会・面接室といった突発的で高密度なスペース需要が生まれます。
ここでは、さいたまエリアで中規模のサテライトオフィス/貸し会議室(個室ブース+会議室を備えた構成)を開業する想定で、初期投資と月間コストの大枠を整理します。あくまで読み物として全体像をつかむための試算です。
項目 | 金額の目安 |
物件賃貸契約初期費用(敷金・仲介料・前家賃等) | 約180万円 |
内装・防音個室ブース・会議室造作工事費 | 約300万円 |
什器・AV設備(デスク・チェア・モニター・会議設備) | 約180万円 |
ネットワーク・電源・Wi-Fi工事 | 約70万円 |
セキュリティ監視システム(カメラ等) | 約60万円 |
スマートロック「Akerun」初期導入費 | 0円(後付け設置のため工事・初期費用不要) |
開業プロモーション・予約サイト構築費 | 約50万円 |
合計(目安) | 約840万円 |
Akerunは既存ドアのサムターンに後付けで設置でき、施設の鍵を全面変更する大がかりな改修が不要です。原状回復が求められる賃貸テナントでも導入・移設がしやすく、二重投資を避けられる点が参入リスクを下げます。
経費項目 | 有人常駐モデル | Akerun無人運営モデル |
地代家賃(共益費含む) | 50.0万円 | 50.0万円 |
フロントスタッフ人件費 | 32.0万円 | 0円 |
水道光熱・通信費 | 9.0万円 | 7.0万円 |
予約・オンライン決済SaaS手数料 | 1.0万円 | 3.0万円 |
Akerunシステム利用料 | 0円 | 約1.9万円 |
清掃・保守(外部委託) | 0円 | 5.0万円 |
警備・保険料 | 2.0万円 | 4.0万円 |
月間運営コスト合計 | 約94.0万円 | 約70.9万円 |
無人運営では受付人件費がゼロになり、清掃を外部委託しても毎月およそ23万円規模の固定費削減が見込めます。清掃・備品補充・現場巡回といったフィジカル業務は、後述のmigakunのようなBPaaS(運営代行)に切り出すこともできます。
サテライトオフィスの収益は、安定収入となる法人の月額契約(席数・拠点単位)と、出張者・イベント来訪者からの時間貸し(ドロップイン・会議室貸切)を組み合わせる設計が基本です。
法人月額で家賃をカバーし、スーパーアリーナのイベント日に会議室貸切やブースの高回転利用で限界利益を積み上げると、稼働の山谷を平準化できます。15分刻みの従量課金や、会議室の時間貸し(最低利用時間設定)など、用途に応じた料金の出し分けが効果的です。
Akerunは「RESERVA」「hacomono」など多くの予約・会員管理システムとAPI連携しており、法人月額とドロップインが混在する運営でも、受付から解錠、延長課金までを人手を介さず自動化できます。
Step 1:予約・事前決済
利用者がWebから拠点・ブース・会議室の空き時間を検索し、その場でクレジットカード決済を完了します。事前決済により、無断キャンセルによる回収ロスを防ぎます。
Step 2:電子鍵の自動発行・同期
予約確定と同時に、予約データがAPI経由でAkerunのクラウドへ連携され、その日時だけ有効な電子鍵が自動発行されます。鍵はアプリに同期されるか、アプリ不要の解錠用URLとして自動通知されます。
Step 3:入室・解錠
予約開始時刻に、利用者は登録済みの交通系ICカードや社員証、またはスマホの解錠画面をリーダーにかざして入室します。
Step 4:チェックインの自動処理
解錠ログがクラウド経由で予約システムにフィードバックされ、システムが自動で来店処理(利用実績の確定)を行います。受付業務そのものを撤廃でき、管理者は遠隔から状況を把握できます。
Step 5:延長対応と終了時の権限剥奪
延長したい場合はマイページから手続きでき、追加料金が自動決済され鍵の有効期限も自動延長されます。利用終了時にはオートロックで施錠され、付与されていた電子鍵の権限は自動で消去されるため、時間外のアクセスを完全に遮断できます。
さいたまのサテライトオフィス/研修施設運営には、他業態と異なる固有の論点があります。とりわけ「法人を相手にする」ことが最大の特徴です。
法人のセキュリティ審査をどう通すか
ターゲットを個人から法人(月額契約・大企業利用)へ引き上げるうえで最大の関門が、利用企業の総務・情報管理部門(ISMS・Pマーク担当)が求める情報管理規定です。鍵の受け渡しがずさんなスペースは法人審査で確実に排除されます。Akerunは法人向け入退室管理として実績があり、この懸念に応えられます。
既存の社員証をそのまま「鍵」にできる親和性
AkerunのICカードリーダーはFeliCa(交通系ICや社員証)とMifareの双方を読み取れます。利用企業の従業員が普段使う社員証を、その施設の電子鍵としてそのまま紐づけられるため、新たな専用カードの作成・配布が不要となり、企業の社内システム審査を通過しやすくなります。
監査に耐える入退室ログと迅速な権限剥奪
「誰が・いつ・どのドアを開けたか」をクラウドに記録でき、利用実績レポートやセキュリティ監査書類として提示できます。カード紛失時もシリンダー交換は不要で、管理画面からワンクリックで該当カードの権限を即時失効でき、SmartHRのような人事・ID基盤との同期で入退社に応じた権限管理も自動化できます。
イベント連動の「ハイブリッド運営」設計
スーパーアリーナのイベント日は突発的な需要が集中します。日中はスタッフ1名を常駐させ、夜間・早朝・週末やイベント日は完全な自動モードへ切り替える、といったハイブリッド運用を低コストで構築できます。会員登録なしの単発ドロップインには、アプリ不要の解錠用URLでスムーズに入室を完了させられます。
タイプの異なる3つの運営パターンを紹介します。
会員制自習室・コワーキングを各地で展開する勉強カフェは、初期コストを抑えて後付けできるAkerunを新店舗の開業標準パッケージに組み込み、無人化・省人化運営を実現しています。
Akerun導入により従来数百万円規模だった入退室設備の初期コストをゼロ化し、遠隔接客・防犯監視と組み合わせることで人件費の大幅な削減につなげ、フランチャイズ展開も加速させた事例です。地域密着の自習・コミュニティ需要を低価格な月額制で取り込むモデルの好例です。
▶ 出典:Akerun導入事例 https://akerun.com/casestudy/detail_bookmarks_benkyo-cafe/
全国でコワーキングスペース/レンタルオフィス「BIZcomfort」を展開するWOOCは、一部を除く全国の拠点でAkerunを導入しました。会員管理の基幹システムとAkerunのAPI連携により運用工数を大幅に削減し、拠点数・会員数の拡大に対応できる運営体制を整備。
利用者はスマホひとつで全拠点へ横断的に入退室できるようになりました。多拠点を効率的にスケールさせる、法人ネットワーク型の代表例です。
▶ 出典:株式会社Photosynth プレスリリース(PR TIMES)https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000116.000011385.html
コワーキング事業を展開するいいオフィスが、さいたまスーパーアリーナとコラボして開設したコワーキング兼イベントスペースです。さいたま新都心駅から徒歩圏の好立地で、アリーナでのコンサートや展示会といったイベントと連動し、出張者やイベント参加者の臨時のワークスペース需要を取り込んでいます。
可変性の高い空間設計で、コワーキングからイベント利用までを柔軟にカバーする、エリア連動型のモデルです。
▶ 出典:株式会社いいオフィス プレスリリース(PR TIMES)https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000046744.html
さいたまエリアのサテライトオフィス・研修施設事業は、都心からの企業移転と転入超過、大規模都市開発、大型ビルを直接借りられない層のフレキシブル需要、そしてスーパーアリーナのMICE連動という追い風が重なる、有望な市場です。
Akerunを軸に予約・決済・解錠を連携させれば、対面受付や鍵の受け渡し、利用実績の記帳といった定常業務から解放され、法人が求める「既存社員証の連動」「監査に耐えるログ」「迅速な権限剥奪」を同時に満たせます。これにより、オペレーションの極小化と高付加価値な法人料金プランの両立が可能になります。
次のような立場の方は、無人化・省人化という選択肢を検討する価値があります。
大宮・さいたま新都心・浦和に物件やテナントビルを持ち、サテライトオフィスや貸し会議室として収益化したい不動産オーナー
法人向けに貸し出したいが、企業のセキュリティ審査を通せるか不安な事業者
スーパーアリーナのイベント連動需要を、人件費をかけずに取り込みたい運営者
複数拠点を少人数で運営し、運用工数を抑えながらスケールさせたい多拠点運営者
まずは有人と無人のハイブリッドでスモールスタートし、市場性を検証したい新規参入者
「法人の求めるセキュリティや、限られたリソースでの運用が不安で参入を迷っている」という事業者にとって、予約システムとスマートロックのAPI連携は、その障壁をハード・ソフトの両面から乗り越える選択肢になります。
フォトシンス(Akerun/Migakun/fixU)のご紹介
提供元である株式会社フォトシンスでは、スマートロック「Akerun」をはじめ、現場オペレーションを担う「Migakun」、店舗の無人化・省人化を支える基幹システム「fixU」を扱っており、「商用施設の無人化をトータルソリューションする」サービスを展開しています。さらに、フォトシンスの強力なパートナーシップを活用することで、システムや運営面だけでなく、無人スタジオの開業に不可欠な「不動産物件」「内装」「業務用機器・什器」を扱う企業のご紹介まで包括的にサポートが可能です。
入退室・解錠を担う「Akerun」、顧客管理・請求・決済・ドロップイン課金を担う「fixU」、清掃・備品補充・現場巡回を代行する「Migakun」を組み合わせれば、DX側で運営を自動化し、フィジカル側で現場対応を代行する無人運営の全体像が描けます。
Akerunは業界最大級のAPI連携を強みとし、RESERVA・リザエン・hacomono・インスタベースなど主要な予約・決済サービスと接続できます。さいたまエリアでの開業・運営をご検討の際は、お気軽にご相談ください。
お問い合わせ・資料請求:https://akerun.com/inquiry_top
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この記事を書いた人
国木ゆうこ
株式会社Photosynth マーケティング部
スマートロック・入退室管理システムの導入支援を中心に、法人向けセキュリティソリューションの情報発信を担当。オフィスやフィットネスジム、シェアオフィスなど多様な業種への導入経験をもとに、実務に役立つ記事を執筆しています。

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