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勤怠管理
打刻とは?労働基準法における正しい意味と客観的な記録義務をわかりやすく解説
2023年07月28日
更新日:
2026年7月23日
著者:
「打刻」は、勤怠管理のもっとも基本的な行為でありながら、その法的な位置づけや「正しい打刻とは何か」まで正確に理解している担当者は多くありません。
とくに2019年の法改正以降、企業には従業員の労働時間を「客観的な方法」で把握する義務が課され、打刻の正確性がこれまで以上に重要になっています。
本記事では、労働基準法・労働安全衛生法における打刻の意味、打刻と勤怠管理の違いをまとめています。
従来の打刻方法が抱える課題、そしてデジタル化による解決策までを、人事労務の担当者に向けて体系的に解説します。
あわせて、記録の保存義務や「隠れ残業」の見える化といった、実務で見落とされがちなポイントも整理します。
打刻とは、従業員の出勤時刻・退勤時刻や休憩時間などを記録することを指します。
単に時刻を残すだけの作業に見えますが、その記録は給与計算の根拠となり、企業が法定労働時間を遵守しているかを示す証拠にもなります。
従業員の労働時間を正確に把握し、適切に管理するための出発点が「打刻」です。
企業(使用者)は、労働基準法にもとづき、従業員の労働時間を適正に把握・管理する責務を負っています。
厚生労働省の「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」では、労働時間を把握する原則的な方法として2つがあります。
使用者が自ら現認して記録する方法と、タイムカードやICカードなどの客観的な記録を基礎として確認・記録する方法が示されています。
さらに2019年4月に順次施行された働き方改革関連法(改正労働安全衛生法)により、企業には従業員の労働時間の状況を「客観的な方法」で把握する義務が明確に課されました。
従業員本人の自己申告のみに頼った管理は、過少申告や把握漏れが生じやすく、原則として認められません。
手書きの出勤簿から、タイムカード、そしてシステムによるデジタル記録へと打刻の主流が移ってきた背景には、この「客観性」への要請があります。
タイムカードやICカードをすぐに導入できない企業のために、自己申告による労働時間の把握も例外的に認められています。
ただしその場合、従業員への十分な説明、自己申告された時間と実態の乖離がないかの確認、乖離があった場合の実態調査と補正といった措置を講じることが求められます。
ガイドラインでは、「従業員が事業場内にいた時間の客観的なデータ(入退場記録やPCの使用記録など)と自己申告時間を照らし合わせる」ことが、乖離を確認する具体的な手段として挙げられています。
正確な打刻は、単なる事務作業ではなく、企業と従業員の双方を守るための土台です。その理由は大きく3つに整理できます。
前述のとおり、企業には労働時間を適正に把握する義務があります。
打刻漏れなどで正確な労働時間を把握できず、労働法令に違反した場合、行政指導や罰則の対象となる可能性があります。
問題が大きくなれば、企業の社会的信頼にも影響を及ぼしかねません。
出退勤時刻を打刻することで、労働時間や遅刻・早退・欠勤・残業といった勤務状況が把握できます。
これらの勤怠情報をもとに給与を計算するため、打刻が不正確だと給与計算そのものが狂ってしまいます。
とくに残業代は、退職した従業員から後日、打刻漏れによる未払い分を請求され、裁判に発展するといったリスクもはらんでいます。
正確な打刻は、こうした未払いトラブルを防ぐ防波堤になります。
正確な打刻によって従業員一人ひとりの労働時間が見える化されると、残業や休日労働が続いて過労のおそれがある従業員に対し、企業側から早めに休暇取得を促すといった対応が可能になります。
客観的な労働時間管理は、長時間労働の兆候を早期に発見し、健康障害を未然に防ぐための重要なデータでもあります。
混同されやすい言葉ですが、「打刻」と「勤怠管理」は指す範囲が異なります。
打刻は、出勤・退勤・休憩といった「時刻を記録する行為」そのものを指します。
一方の勤怠管理は、打刻によって得た時刻データを土台に、出勤日数・休暇(有給・特別休暇)・欠勤・遅刻・早退・残業時間などについても把握した上で、 があります。
従業員の勤務状況全般を把握・管理する取り組み全体を指します。
つまり、打刻は勤怠管理を構成する一部分であり、正確な勤怠管理は正確な打刻があってはじめて成り立ちます。
打刻データが不正確なまま集計すれば、給与計算や労働時間の管理も連鎖的に狂ってしまうため、勤怠管理の質は打刻の質に大きく左右されるといえます。
打刻にはさまざまな方法があり、それぞれにメリットと課題があります。代表的な方法を整理します。
打刻機にカードを差し込んで時刻を記録する、もっとも古くから使われてきた方法です。
シンプルで導入しやすい反面、退勤時の打刻忘れ、出勤していない状態で同僚に打刻してもらう「代理打刻」、勤怠締め後の集計作業の煩雑さといった課題があります。
タイムシートに出退勤時刻を手入力する方法です。計算式を組んでおけば勤務時間や給与計算を自動化でき、タイムカードより集計は楽になります。
ただし、数式を誤ると給与計算全体が間違ってしまうこと、エクセルに詳しい担当者が必要になること、手入力ゆえに時刻の改ざんや誤入力を防ぐ仕組みが別途必要になることが課題です。
従業員の勤務状況をWebやアプリ上で記録・管理できるシステムです。
打刻方法は多彩で、ICチップ入りの社員証や交通系ICカードをリーダーにかざす方式、スマートフォンアプリでの打刻、顔認証などの生体認証による打刻などがあります。
手動での集計が不要でデータ管理がしやすい一方、ICカードやアプリでの打刻は操作自体は従業員本人が行うため、打刻忘れを完全には防げないという共通の弱点があります。
生体認証は精度が高い反面、導入コストがかかる場合があります。
手書きやタイムカードからデジタル打刻へ移行する最大の意義は、記録の「客観性」と「即時性」が高まる点にあります。
デジタル打刻には、改ざんが困難になること、勤務データがリアルタイムで蓄積されること、集計・給与計算が自動化されることといったメリットがあります。
なかでも近年注目されているのが、「隠れ残業」の発見です。
隠れ残業とは、退勤の打刻を済ませたあとも実際にはオフィスに残って業務を続けている、といった状態を指します。
自己申告や手動打刻に依存した勤怠管理では、こうした「打刻上の労働時間」と「実際の在社時間」の乖離を捉えられません。
しかし客観的なデータ(入退場記録など)と打刻時間を突き合わせることで、乖離を発見し、是正につなげることができます。
これは前述の厚労省ガイドラインが求める「自己申告時間と実態の乖離チェック」そのものであり、企業のコンプライアンスと従業員の健康を守るうえで有効な考え方です。
打刻漏れや客観性の課題をまとめて解決する方法として、近年広がっているのが入退室管理システムと勤怠管理システムの連携です。
オフィスビルや執務室の出入口は、従業員が出退勤時に必ず通る場所です。
そこにスマートロックなどの入退室管理システムを設置し、勤怠管理システムと連携させておけば、入室・退室と同時に出退勤時刻が自動で打刻される仕組みが実現します。
具体的には、その日最初の入室を勤務開始、最後の退室を勤務終了として記録するといった運用です。
この仕組みには、次のような利点があります。まず、入退室という「必ず行う動作」がそのまま打刻になるため、打刻漏れ・打刻忘れが構造的に起こりにくくなります。
次に、入退室ログは従業員本人の実際の行動に基づく記録であるため、自己申告よりも改ざんされにくく、労働安全衛生法が求める客観的な労働時間の把握に対応できます。
さらに、打刻上の時間と実際の在社時間を一致させられるため、隠れ残業の可視化にもつながります。
加えて、セキュリティ強化(誰がいつどのエリアに入退室したかの記録)と勤怠管理を、ひとつの仕組みで同時に実現できる点も大きな特長です。
実際に入退室ログを勤怠に連携している企業では、開発拠点の立ち上げや事業拡大に伴い
「初期コストを抑えつつ、打刻漏れの多さと月末の勤怠修正業務の負担を解消したい」
というニーズから導入に至るケースが見られます。
決め手としては、工事不要で設置できる手軽さ、既存のセキュリティカードや社員証をそのまま鍵・打刻に流用できる点、勤怠管理システムとのAPI連携が可能な点が挙げられる傾向にあります。
以下では、こうした課題を実際に解決した企業の事例を紹介します。
開発拠点の立ち上げにあたり初期コストを抑えたいというニーズに加え、従業員による打刻漏れが多く、月末までは各人の勤怠・残業状況を正確に把握できずケアが後手に回っていたことが課題でした。
もともと利用していた勤怠管理システム「KING OF TIME」とAkerunを連携させたところ、入室・退室がそのまま自動でデータ反映されるようになり、打刻漏れがほとんどなくなりました。
月末に集中していた勤怠修正業務も大きく削減されています。
▶ 出典:Akerun導入事例 https://akerun.com/casestudies/detail_moneyforward/
物理鍵運用による盗難・複製リスクや、従業員増加に伴う鍵の複製・回収の管理コストが課題でした。
導入実績と「KING OF TIME」との連携を決め手にAkerunを採用し、出退社時のカードかざしで打刻を自動化。
ログデータをそのまま給与計算に活用することで、経理業務の負担が平均して半日ほど削減されました。入退室ログを労働時間の調整にも役立てています。
▶ 出典:Akerun導入事例 https://akerun.com/casestudy/detail_dropseed/
打刻は記録して終わりではありません。労働基準法では、労働者名簿や賃金台帳、タイムカードなどの労働関係に関する重要書類を一定期間保存することが義務づけられています。
この保存期間は法改正により延長され、原則5年(当分の間は経過措置として3年)とされています。
打刻記録もこの保存対象に含まれると考えられるため、少なくとも数年単位で確実に保管できる体制が必要です。
紙のタイムカードやエクセルファイルでの保管は、紛失・破損・改ざんのリスクがつきまといます。
その点、クラウド型のシステムであれば、打刻データが自動でクラウド上に蓄積・保管されるため、保存義務への対応や、監査・調査が必要になった際のデータ提示がスムーズになります。
日々の打刻の正確性だけでなく、記録を「どう残すか」まで含めて設計することが、コンプライアンス対応の要点です。
打刻は、労働基準法・労働安全衛生法にもとづく「労働時間の客観的な把握義務」を果たすための出発点です。
給与計算の根拠、コンプライアンスの証拠、そして従業員の健康を守るデータでもあります。
手書きやタイムカード、エクセルといった従来の方法には打刻漏れや改ざん、集計負担といった課題があり、デジタル打刻への移行が進んでいます。
なかでも、オフィスの入退室ログをそのまま打刻データに変換する入退室管理システムとの連携は、打刻漏れを構造的に防ぎます。
客観的な労働時間把握と隠れ残業の可視化、さらにセキュリティ強化までを同時に実現できる有効な選択肢です。
打刻漏れの防止策や、より正確で効率的な勤怠管理の仕組みづくりを検討している方は、入退室管理システムの活用もあわせて検討してみてはいかがでしょうか。
「Akerun入退室管理システム」について
「Akerun入退室管理システム」は、既設のドアに工事不要で後付けできる、法人向けのクラウド型スマートロックです。国内No.1の導入社数・利用者数(※)を誇り、100万回超の動作検証をクリアした高い耐久性を備えています。電池残量が少なくなるとカスタマーサポートから交換用電池を自動で送付するなど、導入から運用まで一貫した手厚いサポート体制も特長です。API連携により勤怠管理・会員管理・予約システムなど他システムとも柔軟に連携でき、セキュリティ強化と業務効率化を同時に実現します。
※日本マーケティングリサーチ機構調べ、2026年3月期
資料ダウンロードはこちら:https://akerun.com/download
導入事例一覧:https://akerun.com/casestudy
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