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働き方改革
残業時間とは?正確な定義・計算方法・隠れ残業の見つけ方
2019年09月27日
更新日:
2026年07月23日
著者:
残業時間の法的な定義(法定・所定)や36協定の上限規制、割増賃金といった基礎知識を解説しています。勤怠の「隠れ残業」が生むリスクや原因を整理し、入退室ログを活用して実労働時間を可視化・是正する方法を提案しています。
「タイムカード上は定時退勤なのに、実際にはオフィスに残って仕事をしている社員がいる」
——このような "隠れ残業" に気付きながらも、決定的な証拠がないため対処できずにいる労務担当者・経営者は少なくありません。
働き方改革関連法により、残業時間の上限規制は罰則を伴う「法律」による規制へと格上げされました。
にもかかわらず、自己申告制の勤怠システムだけに頼っていると、未払い残業代・36協定違反・労働災害といった深刻なリスクが経営に忍び寄ります。
本記事では、労務担当者・経営者が押さえておくべき 「残業時間」の正しい定義と計算方法、36協定による上限規制と罰則をまとめています。
そして 隠れ残業を発見・是正する3つの実践的な方法までを、2026年最新の情報に基づいて解説します。
「残業時間」と一言で言っても、法律上は 2種類に分けられます。
この違いを正しく理解していないと、割増賃金の計算ミスや36協定違反を招く可能性があります。
労働基準法では、労働時間は 原則1日8時間・1週間40時間以内 と定められています(法定労働時間)。
この法定労働時間を超えて働いた時間が「法定時間外労働」です。
法定時間外労働に対しては、1.25倍以上の割増賃金を支払う義務があります。
法定労働時間とは別に、各企業は就業規則で「所定労働時間」を定めています。
たとえば9時〜17時(実働7時間)、9時〜18時(実働8時間)など、企業ごとに異なります。
所定労働時間を超えて働いたものの、法定労働時間(8時間)は超えていない残業を「所定時間外労働」と呼びます。
この場合の割増賃金の扱いは、企業の就業規則に委ねられています。
一般的に混同されがちですが、「時間外労働」は法定時間外労働(法律違反リスクのある残業)を指すことが多く、「残業時間」は所定時間外労働も含む広い意味で使われる傾向があります。
労働基準法違反の判断は、所定時間外労働ではなく、法定時間外労働の超過時間で行われる ため、労務担当者は特に注意が必要です。
残業代の未払いは、労働基準監督署による是正勧告・訴訟リスクの温床です。計算の基本を押さえておきましょう。
残業代 = 1時間あたりの基礎賃金 × 割増率 × 残業時間数
残業の種類
割増率
法定時間外労働(月60時間以内)
25%以上
法定時間外労働(月60時間超)
50%以上(中小企業も2023年4月から適用)
深夜労働(22時〜翌5時)
法定休日労働
35%以上
法定時間外+深夜
50%以上
法定休日+深夜
60%以上
2023年4月からは、中小企業に対しても「月60時間超の残業に対して50%以上の割増賃金」が義務化されています。中小企業経営者は特に注意が必要です。
出典
厚生労働省「中小企業の事業主の皆さまへ 月60時間を超える時間外労働の割増賃金率が引き上げられます」 https://www.mhlw.go.jp/content/000930914.pdf
厚生労働省「確かめよう労働条件」時間外・休日労働と割増賃金 https://www.check-roudou.mhlw.go.jp/study/roudousya_jikangai.html
1分単位で正確に集計する必要がある(15分・30分単位での切り捨ては違法)
基礎賃金には諸手当を含める必要がある(家族手当・通勤手当など一部は除く)
固定残業代制を採用していても、超過分は別途支払いが必要
法定労働時間を超えて労働者を働かせる場合、企業は 「36(サブロク)協定」 と呼ばれる労使協定を締結し、労働基準監督署に届け出る必要があります。
2019年4月(中小企業は2020年4月)に施行された働き方改革関連法により、それまで大臣告示による「努力目標」だった残業時間の上限が、罰則を伴う「法律」による上限へと格上げされました。
原則の上限:
月45時間以内
年360時間以内
(1年単位の変形労働時間制を採用している場合は月42時間・年320時間)
臨時的な特別の事情があり、労使が合意する場合には、特別条項付き36協定を締結することで原則を超える残業が認められます。
ただし、以下の絶対的な上限が設けられています。
時間外労働と休日労働の合計が月100時間未満
時間外労働と休日労働の合計が2〜6か月平均で80時間以内
時間外労働が年720時間以内
月45時間を超えられるのは年6か月まで
参考:厚生労働省「時間外労働の上限規制 わかりやすい解説」
上限規制に違反した場合、企業には 「6か月以下の懲役または30万円以下の罰金」 が科される可能性があります。
処罰対象は法人だけでなく、労務管理を担う責任者(工場長・部門長など)にも及びます。
さらに、労働基準監督署による是正勧告や書類送検が公表されると、企業の社会的信用の失墜、採用活動への悪影響など、経営に直接的なダメージが生じます。
ここまで残業時間の法的な枠組みを解説してきましたが、実は多くの企業が抱える最大の課題は 「隠れ残業」 です。
隠れ残業とは、勤怠システム上は退勤処理が完了しているにもかかわらず、実際には業務を継続している状態を指します。具体的には次のようなケースです。
タイムカードや勤怠アプリで定時退勤の打刻をした後もオフィスに残って業務を継続
「サービス残業」として自主的に労働時間を短く申告
会社から支給された端末で自宅に持ち帰り仕事をする
早朝、始業前に出勤して業務を行うが打刻しない
リスク
内容
①未払い残業代の請求
労働者からの請求権は3年(賃金請求権)。過去に遡って多額の未払い残業代を請求される可能性
②労働基準監督署の是正勧告
労基署の調査で発覚した場合、是正勧告・改善指導を受ける。改善が見られない場合は書類送検
③労働災害(過労死・メンタル不調)
労働時間の実態把握ができていないと、過労死・過労自殺の労災認定で企業側の安全配慮義務違反が問われる
④離職率上昇・採用競争力の低下
「サービス残業が常態化している会社」という評判は口コミサイトやSNSで拡散され、優秀な人材が離れる
特に 未払い残業代訴訟では、1人あたり数百万円、集団訴訟に発展すると数億円規模の支払いを命じられる判例もあり、企業経営に致命的なダメージとなります。
隠れ残業を根絶するには、まずその発生原因を理解する必要があります。
慢性的な人手不足や、限られた時間内に処理しきれない業務量があると、労働者は「定時に退勤したい(見せかけ上でも)」と考え、打刻後に業務を続けてしまいます。
日本企業に根強く残る「長時間労働=頑張っている証拠」という価値観。管理職や周囲の目を気にして、退勤しづらい空気が形成されることで、隠れ残業が発生します。
タイムカードや勤怠アプリで自己申告のみに頼っている企業では、労働者が実際の勤務時間より短く申告することが物理的に可能です。
改ざんや虚偽申告が発生しても、上司側が気付く手段がありません。
働き方改革関連法により、管理職の労働時間管理も義務化されましたが、実運用として厳格に行われていない企業が少なくありません。
「管理職には割増賃金が発生しない」という誤解から、管理職自身の隠れ残業が放置されるケースもあります。
自己申告制の勤怠システムだけでは、隠れ残業を発見することはできません。 客観的な事実に基づく「実労働時間の把握」 が必要です。ここでは実践的な3つのアプローチを紹介します。
もっとも客観的で確実な方法です。オフィスの出入口に入退室管理システムを設置していれば、以下のデータを取得できます。
実際にオフィスに入った時刻(=業務開始の実態)
実際にオフィスを退出した時刻(=業務終了の実態)
勤怠システムの打刻情報との差分(=乖離時間)
タイムカードで18時に退勤打刻した従業員が、入退室ログでは22時にオフィスを退出していれば、4時間の乖離時間があることが即座にわかります。この乖離こそが、隠れ残業の証拠となります。
業務用パソコンのログイン・ログオフの時刻を取得し、勤怠システムの打刻と照合する方法です。ただし、パソコン以外の業務(電話対応・書類整理・打ち合わせ)は捕捉できないため、入退室ログとの併用が理想的です。
匿名アンケートや個別ヒアリングによって、職場の実態を把握する方法です。ただし、報復を恐れて実態を語らないケースも多いため、この方法だけに頼るのは危険です。他の客観的データと組み合わせて活用しましょう。
隠れ残業対策として、いま多くの企業が導入を進めているのが「スマートロック型の入退室管理システム」です。ここでは、Akerun入退室管理システムを活用した具体的な仕組みを解説します。
Akerunは、オフィスの出入口に後付けで設置できるスマートロックです。従業員がスマートフォンやICカードで解錠・施錠するたびに、その履歴がクラウドに自動で記録されます。
つまり、「誰が」「いつ」「どのドアから」入退室したかが、改ざん不可能な形でデータとして残ります。
これがそのまま「実際の在室時間」となり、勤怠システムの打刻と照合することで、隠れ残業を客観的に発見できます。
Akerunには、社員1人ひとりの月の勤怠記録をタイムカード形式で自動作成する「タイムカード機能」があります。
入退室するだけで、最初の入室時間と最後の退室時間が自動記録されるため、打刻漏れや不正申告を防止できます。
さらに、勤怠管理システムと入退室ログを連携させることで、打刻時刻と実際の退出時刻の差分(乖離時間)を自動で算出可能です。
この乖離時間が一定の閾値(例:30分)を超えた場合にアラートを発生させれば、隠れ残業を早期に検知できます。
Akerunは本来、オフィスや施設のセキュリティを強化するための入退室管理システムです。
セキュリティ強化のための投資が、そのまま隠れ残業対策・労務コンプライアンス強化にもつながる点が、大きなメリットです。
工事不要:既設のドアに後付けできるため、初期投資が最小限
クラウド管理:Web管理ツール「Akerun Connect」で場所を選ばず入退室データを確認
API連携:既存の勤怠管理システムとの連携で、業務フローを自動化
住友商事グループのインテリア専門商社である同社は、オフィス移転を機にAkerunコントローラーを導入。
ショールームの自動ドアを含む計3か所にAkerunコントローラーを設置し、セキュリティ強化と入退室ログの取得を同時に実現しました。
課題:自己申告制の勤怠システムだけでは、「本当に業務を終えて打刻しているのか」が把握できない という課題を抱えていました。
Akerun導入後の運用
Akerunコントローラーの入退室履歴をCSVで出力
勤怠システムの打刻データと突き合わせて比較
打刻情報と実際の入退室記録が30分以上乖離している場合はチェック対象に
乖離が多い社員には、マネージャークラスから本人にアラートを発信
BIツールで勤怠情報と入退室履歴をグラフ化し、部署単位で残業状況を可視化
導入効果
「この作業が終わるまで…」と切りなく仕事をしていた状況から、時間を意識して働く文化に変化
部署のマネージャーがデータを根拠に、部下への声掛けができるようになった
セキュリティ強化と働き方改革を同時に実現
このように、入退室ログを客観的な労働時間管理の根拠として活用することで、隠れ残業の抑制と労務コンプライアンスの強化を両立できます。
参考:住商インテリアインターナショナル株式会社 Akerun導入事例
36協定を締結・届出しているからといって、無制限に残業をさせられるわけではありません。
届出後も、実際の残業時間が上限(原則月45時間・年360時間、特別条項適用時でも月100時間未満・年720時間以内)を超えていないか、月次で実績を確認する運用が必要です。
特別条項を適用する場合も、「月45時間を超える残業は年6か月まで」「時間外労働と休日労働の合計が単月100時間未満・2〜6か月平均80時間以内」という条件を満たさなければ違反となります。
これらは時間外労働と休日労働を合算して判定されるため、所定時間外労働のみで「上限内」と誤認しないよう注意が必要です。
実務上は、部署・個人単位での残業時間の月次集計、特別条項の発動回数の年間管理、届出内容と実運用の乖離チェックがポイントになります。
また、こうした管理の前提となるのは「労働時間データそのものの正確さ」です。
前述の「隠れ残業」が常態化していると、勤怠システム上の集計と実態が乖離し、36協定の遵守状況を正しく評価できません。
入退室ログなど客観的なデータと突き合わせる運用が、その実効性を支えます。
本記事では、残業時間の法的な定義から、36協定の上限規制、そして隠れ残業を発見・是正する実践的な方法までを解説しました。
重要ポイントのおさらい
残業時間には「法定時間外労働」と「所定時間外労働」の2種類があり、割増賃金の扱いが異なる
36協定による上限は原則 月45時間・年360時間、特別条項でも月100時間未満・年720時間以内
違反時は 「6か月以下の懲役または30万円以下の罰金」、経営者・管理職も処罰対象
自己申告制の勤怠システムだけでは 「隠れ残業」を発見できない
客観的な入退室ログを活用することで、実労働時間を正確に把握できる
労働基準法違反による罰則リスク・未払い残業代訴訟リスクを回避するためには、「打刻データ」だけに頼らない、客観的な実労働時間の把握体制を整えることが不可欠です。
スマートロック型入退室管理システム「Akerun」なら、セキュリティ強化と労働時間の可視化を同時に実現できます。工事不要・初期費用ゼロで導入でき、既存の勤怠管理システムとも連携可能。導入社数No.1の実績が、その信頼性を裏付けています。
入退室ログと勤怠データを照合することで、正確な労働時間管理と法令遵守を同時に実現します。
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具体的な導入コストと導入期間
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本記事の内容は2026年7月時点の情報に基づいています。法令の改正等により内容が変更される場合がありますので、最新情報は厚生労働省の公式サイトをご確認ください。
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