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勤怠管理
勤怠登録の方法を徹底比較:PC打刻・入退室ログ・自己申告、それぞれの使いどころと組み合わせ方
2026年6月4日
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「勤怠管理のシステムを入れているのに、実態と合っていない」——。労務担当者や管理職の方から、そんな声を聞くことがあります。勤怠管理システムを導入しているにもかかわらず、申告された時間と実際の在社時間にズレが生じている。あるいは、現場のPCを使わない職種の従業員の労働時間が、どうしても正確に把握できない。そうした課題を抱えている企業は、決して少なくありません。労働時間の把握手段は、大きく「自己申告」「PC打刻(PCログ活用)」「入退室ログ(スマートロック活用)」の3つに分類できます。これらはどれが優れているかという話ではなく、自社の業態・職種・規模・求める精度に応じて、どう組み合わせるかが重要です。本記事では、それぞれの手段の特性と限界を整理したうえで、実務に即した組み合わせパターンをご紹介します。
2019年の働き方改革関連法施行以降、企業には従業員の労働時間を「客観的な方法」で把握することが義務付けられています。厚生労働省のガイドラインは、タイムカードやICカード、PCの使用記録などを客観的な記録として例示しており、従業員の自己申告のみに頼る運用は「やむを得ない場合の例外的措置」と位置づけられています。
さらに、2027年以降の施行が見込まれる労働基準法の大改正議論では、勤務間インターバル(終業から翌日の始業まで11時間を確保)の義務化や、連続勤務の上限規制(14日以上の連続勤務禁止)なども検討されています。これらに対応するには、単なる月次の集計ではなく、日単位・時間単位での連続性・間隔まで管理できる体制が求められます。
「今の管理体制で、労基署の調査に説明がつくか」「上場審査で問われたとき、証跡が出せるか」——この問いに自信を持って答えられる体制を、今から整備しておくことが経営上のリスク管理につながります。
概要:従業員が自ら出退勤時刻を申告する方式。紙の出勤簿・Excelシートへの入力・スマホアプリでの申告などが該当します。
メリット
初期コストがほぼかからない
テレワーク・直行直帰・外勤など場所を問わず記録できる
従業員の裁量労働制・フレックス制など柔軟な働き方に対応しやすい
デメリット・限界
本人の申告なので、サービス残業の隠蔽が起きやすい
打刻忘れ・誤記が発生しやすく、管理者の確認負荷が高い
厚生労働省のガイドラインでは「例外的措置」として位置づけられており、原則として客観的記録との併用が求められる
上場審査・労基署調査・未払い残業代訴訟において証拠力が弱い
向いているケース:在宅勤務が中心でPCも入退室管理もない環境、または他の客観的記録(PCログや入退室ログ)と突合することを前提とした補助的な記録として活用する場合
概要:勤怠管理システム(KING OF TIME、マネーフォワード勤怠、ジョブカンなど)のPCブラウザ・専用アプリから打刻する方式、または端末の電源オン・オフのログを客観的記録として活用する方式です。
PCを常用するオフィスワーカーには自然な動線で打刻できる
勤怠管理システムと直結しているため、集計・アラート・給与連携が自動化しやすい
テレワーク中の労働時間も同一システムで管理できる
多くの企業で既に導入されており、導入障壁が低い
PCを使わない職種には使えない。製造ライン・物流現場・飲食店スタッフ・ドライバー・建設作業員など、業務にPCを使用しない従業員の労働時間は、この方法では把握できない
「実際に出社している時間」と「PCを起動している時間」は必ずしも一致しない。早出・残業の実態が見えにくい場合がある
他者による代理打刻(なりすまし打刻)が起こりやすい
PCログは「在席ログ」ではなく「稼働ログ」であるため、実際の在社時間との乖離が生じることがある
向いているケース:デスクワーク中心のオフィス、在宅勤務者が多い企業、裁量労働制やフレックス制で勤務場所が多様な従業員の管理
概要:オフィスや施設の入口・各ゾーンにスマートロック・ICカードリーダーを設置し、実際に入退室した時刻のログを労働時間管理に活用する方式です。
「誰が何時にどのドアを通過したか」が客観的に記録されるため、証拠力が高い
PCを使わない職種・現場の従業員も対象にできる。製造業・物流・小売・飲食など幅広い業態に対応
本人が意識することなく記録されるため、打刻忘れや代理打刻が起きない
入退室ログと自己申告・PCログを突合することで、乖離(隠れ残業・早出)を発見できる
Akerunなどのクラウド型スマートロックシステムは、KING OF TIME・マネーフォワード・勤次郎などの勤怠管理システムとAPI連携しており、ログの突合を自動化できる
導入に初期費用(デバイス・工事・システム費用)が必要
在宅勤務・テレワーク・外出先での労働時間は記録できない。オフィス内の在席時間のみが対象
「入室した時刻=業務開始時刻」「退室した時刻=業務終了時刻」とは必ずしも一致しないため、運用ルールの設計が必要
複数拠点・外勤・出張が多い従業員は、ログが分散する
向いているケース:工場・倉庫・物流センターなどPCを使わない現場が中心の企業、残業管理の精度を高めたい企業、Pマーク・ISMS認証の取得・更新を目指す企業、上場審査に向けて労務管理体制を整備したい企業
比較項目
自己申告
PC打刻・PCログ
入退室ログ
初期コスト
低
中
中〜高
運用コスト
低〜中
客観性・証拠力
低(例外的措置)
中(稼働ログ)
高(実在室ログ)
PC不使用職種への対応
○
×
テレワーク・外勤への対応
打刻忘れ・代理打刻のリスク
高
勤怠システムとの自動連携
△(手動集計が残る)
○(API連携)
隠れ残業・乖離の検知
困難
一部可能
○(突合で検知可能)
推奨:PC打刻(メイン)+ 入退室ログ(突合・補完)
PC打刻を主軸に、オフィスの入退室ログと突合する運用が最も効果的です。「PCにログインしているのに、入室記録がない」「退室済みなのにPC打刻が続いている」という乖離を自動検知することで、隠れ残業の早期把握が可能になります。在宅勤務日はPC打刻のみで管理し、出社日は入退室ログとの突合を行うというハイブリッド運用が現実的です。
特に有効なシーン:36協定のアウトポイント管理(月45時間・80時間の手前でアラートを飛ばすしくみの構築)、上場審査・労基署調査への備え
推奨:入退室ログ(メイン)+ 自己申告(外出・外勤時)
PCを使用しない従業員の労働時間把握には、入退室ログ以外の客観的手段がほぼありません。工場の入口・製造ラインの入室ポイントにICカードリーダー・スマートロックを設置し、全従業員の入退室を記録することが、現実的かつ証拠力の高い手段です。自己申告は外勤・外出時の補完として位置づけ、帰社後の入室ログと照合します。
特に有効なシーン:物流拠点のドライバー管理(出発前・帰着後の拠点入退室ログ)、大企業の下請け企業としてセキュリティ基準(SCS評価制度等)への対応が求められる場合
推奨:クラウド型入退室管理+ 勤怠システムAPI連携による一元管理
本社・支社・倉庫・ショールームなど複数拠点を持つ企業では、各拠点のスマートロックをクラウドで一元管理し、すべての入退室ログを同一の勤怠管理システムに集約する構成が有効です。管理者はダッシュボード上で全拠点の稼働状況をリアルタイムで把握でき、特定拠点での異常な長時間滞在や深夜入室にも即座に気づくことができます。
特に有効なシーン:グループ企業のコンプライアンス統制、フランチャイズ加盟店の労務管理、IPO準備時の内部統制整備
推奨:PC打刻(現状維持)+ 入退室ログ(段階的導入)
創業期・急成長期は柔軟な働き方が優先されるため、PC打刻での管理が現実的です。ただし、採用人数が増加するにつれて「サービス残業の温床」「残業申請との乖離」が顕在化してきます。特に上場準備フェーズに入ると、労務管理の精度は外部監査の対象になります。スマートロックの後付け設置は工事不要のタイプであれば比較的コストを抑えて導入できるため、30〜50名規模を超えたタイミングで入退室ログとの突合体制を整えることをお勧めします。
3つの方法の中で最も重要な実務的ポイントは、複数の記録を突合(照合)することです。
PC打刻と入退室ログを突合すれば「申告していない残業」を発見できます。入退室ログと自己申告を突合すれば「申告と実態のズレ」を確認できます。どれか一つの記録だけに頼る運用より、2つ以上の記録を照合する体制の方が、管理精度も証拠力も格段に高くなります。
ただし、手作業での突合は担当者の工数を圧迫します。KING OF TIME・マネーフォワード勤怠・ジョブカン・勤次郎といった主要な勤怠管理システムは、スマートロックシステムとのAPI連携に対応しているケースが多く、入退室ログを自動的に勤怠システムへ取り込んで突合処理を行う仕組みを構築することができます。
労働時間の把握方法に「正解」はありません。自社の業態・職種・規模・現状の課題に応じて、最適な組み合わせは異なります。整理すると、以下の3点が判断のポイントになります。
PCを使わない職種がいるか→ いる場合は入退室ログが必須
テレワーク・外勤が多いか→ 多い場合はPC打刻や自己申告を補完的に活用
上場準備・認証取得・労基署リスクを意識しているか→ 客観的記録の「証拠力」を重視した設計が必要
労働時間の「自己申告のみ」の運用は、働き方改革関連法の趣旨に照らして改善が求められており、今後の法改正対応においても最も脆弱な方式です。まだ対応が進んでいない場合は、まず客観的記録(PCログまたは入退室ログ)との突合体制を整えることを、最初のステップとしてご検討ください。
Akerunが提供する入退室ログ活用のしくみ
Akerunは、クラウド型のスマートロック・入退室管理システムです。入退室ログをリアルタイムで記録し、KING OF TIME・マネーフォワード・ジョブカン・勤次郎など主要な勤怠管理システムとのAPI連携に対応しています。後付け設置が可能なため、大規模な工事なしに既存オフィスへ導入でき、PCを使わない現場職種の労働時間管理にも活用いただけます。「入退室ログで勤怠管理の精度を高めたい」「複数拠点を一元管理したい」という方は、お気軽にご相談ください。
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