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入退室管理
プッシュプル錠も後付けOK スマートロックで実現する店舗無人化
2026年04月23日
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デザイン性の高いプッシュプル錠でも、専用ユニットの活用により工事なしでスマートロックを後付け可能です。予約・決済システムと自動連動させることで、リスクを抑えながら店舗やオフィスの無人化・省人化を実現できます。
「店舗の玄関がデザイン性の高いプッシュプル錠で、後付けのスマートロックがハンドルに干渉してしまうのでは…」
「賃貸マンションの共用部や自社ビルのドアが上下2箇所のダブルロック仕様で、市販のスマートロックでは連動できないのでは…」
「無人運営に切り替えたいが、両面テープ固定のスマートロックがドアの開閉衝撃で外れて締め出しトラブルにならないか心配…」
こうした課題でお悩みの方も多いのではないでしょうか。
スマートロック市場は国内・グローバルともに急拡大しており、2026年から2032年にかけても高い成長率で推移すると予測されています。
人手不足とキャッシュレス決済の普及を背景に、店舗やオフィスの無人化・省人化を検討する事業者・不動産オーナーが急増しています。
一方、プッシュプル錠という「意匠性の高いドア」特有の物理的な壁に悩むケースが目立ちます。
鍵の種類や後付けスマートロックの選び方全般については別記事(鍵の種類と最適な鍵の選び方)で解説しています。
本記事ではプッシュプル錠にスマートロックを後付けする際の構造的な課題と、それに対応する国内の解決策、そして無人運営の経営インパクトまでを、事業者視点で整理します。
スマートロックを取り巻く市場環境は、次のようなデータからも追い風にあることが分かります。
グローバルのスマートロック市場は2025年に32億3,000万米ドル(約5,168億円)、2026年には36億1,000万米ドル(約5,776億円)となり、2032年までに72億9,000万米ドル(約1兆1,664億円)に達すると予測されています(CAGR12.33%)。※1ドル(160円)ハードウェアの融合とクラウド連携ソフトウェアの高度化が市場を牽引しています。(出典:GII「スマートロック市場|市場規模 分析 予測 2026-2032年」https://www.gii.co.jp/report/ires2011837-smart-lock-market-by-lock-type-communication.html)k
国内のスマートロック市場は2025年に1億7,396万米ドル(約278.34億円)規模と評価されており、2034年には3億7,590万米ドル(約601.44億円)まで拡大すると予測されています(2026〜2034年のCAGR8.94%)。国内のロックタイプ別シェアでは既存設備を活かせるデッドボルト型が42.3%(2025年)、通信プロトコルではBluetoothが44.6%(2025年)を占め、賃貸物件での一括導入が拡大要因の一つとされています。(出典:IMARC Group「日本のスマートロック市場規模、シェア、展望レポート」https://www.imarcgroup.com/report/ja/japan-smart-lock-market)
経済産業省が公表するキャッシュレス化比率の指標を踏まえると、消費の過半数がデジタル決済にシフトしたことで、予約・決済データと鍵発行を自動連動させるインフラが整いつつあります。
こうした市場拡大を後押しするトレンドは、大きく次の3つに整理できます。
人手不足によるフロント業務の省人化ニーズ:受付・鍵の受け渡し業務を無人化したいという事業者の要望が強まっています。
既存物件の資産価値向上:賃貸住宅・オフィスともに、鍵管理のデジタル化が物件そのものの価値向上策として位置づけられています。
意匠性の高いドアへの対応需要:プッシュプル錠のような高級感のあるハンドルを損なわずに後付けしたいという声が、住宅・商業施設の両方で増えています。
これらのトレンドが重なることで、プッシュプル錠向けのスマートロック市場は今後も拡大が続くと考えられます。
無人化に切り替える際の投資判断として、経営数字を大枠で把握しておくことが重要です。有人運営と無人運営を比較すると、次のような傾向があります。
項目
有人運営
無人・省人化運営
受付人件費
常時スタッフ配置が必要
大幅に圧縮可能
鍵の受け渡し工数
都度対応が発生
API連携により自動化
深夜・早朝対応
人員確保が課題
オンライン/オフライン解錠で対応可能
初期投資
内装・受付設備中心
ハードウェア(後付けスマートロック)+システム連携費
金額の具体的な水準は物件・業態によって大きく異なるため、あくまで「投資回収の考え方」を掴む読み物としてご参考にしていただければと思います。
月額プランのサブスク型料金モデルを採用する事業者も増えており、初期費用を抑えながら段階的に無人化を進める設計が一般的になっています。
プッシュプル錠であっても、対応するスマートロックを導入すれば以下のような自動化フローを構築できます。
Step1:利用者がWeb予約サービスから日時・プランを選択
Step2:オンライン決済が完了し、事前決済データがシステムに記録される
Step3:予約完了と同時に、該当時間のみ有効なPINコードや解錠データがAPI経由で自動発行される
Step4:利用者が現地でスマートロックを操作し、プッシュプルハンドルごと解錠される
Step5:入退室ログがクラウドに同期され、利用時間を過ぎると自動で権限が失効する
このように予約から決済、解錠、退室後の権限失効までを一気通貫で連携させることで、鍵の受け渡しという物理的な工程そのものをなくすことができます。
利用者はRESERVAやfixU等のオンライン予約サービスから直接手続きを完結できるため、事業者側の対応工数も削減されます。
RESERVA、fixUなどの予約プラットフォームには英語対応機能があるものも多く、インバウンド需要の取り込みにも活用しやすい点が特徴です。
一般的なシリンダー型デッドボルト向けの後付けスマートロックをそのままプッシュプル錠に取り付けようとすると、他の錠前にはない壁に直面します。
これは他業態・他エリア向けの記事とは異なる、プッシュプル錠特有の論点です。
ハンドルとの物理的な干渉:プッシュプル錠は大型ハンドルとサムターンの位置が近接しているケースが多く、市販の後付け機がハンドルに干渉して設置面を確保できないことがあります。
曲面デザインによる接着強度の低下:意匠性の高いプレート部は曲面や装飾が施されていることが多く、両面テープの接着が十分に効かず、開閉時の振動で本体が滑落し締め出しにつながるリスクがあります。
ダブルロック(2ロック)の同期不全:上下2箇所に施錠機構がある仕様の場合、ワンアクションで両方を確実に連動させるための高度なソフトウェア制御と電池消費のバランス設計が求められます。
これらの壁を乗り越えるため、国内主要メーカーはプッシュプル錠に専用適合するユニットを開発し、対応を進めています。
代表的な製品としては、累計出荷140万台を超える美和ロックのプッシュプル錠シリーズ(PGF703/PGF704/PGF713/PGF714)に適合する「DTRS III PG」「PiACK III PG」、賃貸住宅向けの2ロック仕様電池錠「ePPH」(アルファ)などがあります。
いずれもドアの追加工や配線工事なしで既存のデザインを保ったまま設置できる点が特徴です。
なお、「後付けスマートロックの選び方」全般については別記事(既設のドアに後付け可能なスマートロックの上手な選び方とメリット・デメリット)で詳しく解説しています。
本記事ではプッシュプル錠に絞って、さらに一歩踏み込んだ論点を扱います。
大阪の生和コーポレーション株式会社が施工した新築賃貸マンション「ROOTs Shibuya Honmachi」(東京都渋谷区本町、27戸、2023年4月竣工)では、
美和ロック株式会社とビットキー株式会社が開発したプッシュプル型ダブルロック対応のスマートロックを国内で初めて採用しました。
エントランスにもコントローラーを設置し、物件全体をスマホ一つでアクセスできる仕組みを構築しています。
プッシュプル錠特有のダブルロック同期という壁を、メーカー純正ユニットの採用で解決した好例です。
▶ 出典:生和コーポレーション株式会社 プレスリリース(2023年4月17日)https://www.seiwa-stss.jp/news/2023/0417/
株式会社レオパレス21は、ビットキーのプラットフォームと連携したスマートロックを2022年6月から管理物件に導入し、2025年3月に設置戸数が業界最大規模の30万戸を突破したと発表しました。
これにより2024年4月から2025年2月までの新規入居の92%がスマートロック設置物件での契約となり、鍵の受け渡しのための来店対応や退去時のシリンダー交換業務を大幅に削減しています。
プッシュプル錠を含む多様なドア形状の物件を全国規模で無人化・省人化した事例として参考になります。
▶ 出典:株式会社レオパレス21 プレスリリース(2025年3月14日)https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000678.000005429.html
アルファ株式会社とビットキー株式会社は、プッシュプル型2ロック電池錠「ePPH-BT」を含む次世代型スマートロックを共同開発し、大阪ガス都市開発が手がける新築賃貸マンション(竣工予定)への導入を決定しています。
関西エリアの新築デベロッパーが企画段階からプッシュプル錠のIoT化を前提に物件設計を行っている事例であり、賃貸住宅における資産価値向上策としての位置づけがうかがえます。
▶ 出典:リフォームオンライン「アルファ、ビットキーと協業 次世代型スマートロックを開発」https://www.reform-online.jp/news/manufacturer/19166.php
これら3事例はいずれも、プッシュプル錠特有の「ハンドル干渉」「ダブルロック同期不全」といった壁を、メーカー純正の適合ユニットによって解決している点で共通しています。
個別のプレミアム物件から全国規模の多拠点展開、新築デベロッパーとの協業まで、規模やフェーズの異なる導入パターンとして参考にしていただけます。
プッシュプル錠への後付けを検討する際は、ハードウェアの適合性だけでなく、運用面でのリスクにも備えておくことが重要です。
無人・省人化店舗として安定稼働させるために、事前に押さえておきたい観点を整理します。
電池切れによる稼働停止:電池残量が低下すると本体からのアラーム通知やクラウド管理画面へのポップアップ通知が行われる製品を選ぶと安心です。万が一の完全放電時にも、外部端子からの給電で解錠できる機構を備えたモデルであれば、締め出しのリスクを抑えられます。
通信障害時の自立動作:オンライン環境でしか解錠できない仕組みでは、通信障害時に運用そのものが停止してしまいます。本体内で事前発行されたPINコードを照合できるオフライン対応の製品であれば、通信が一時的に途絶えても店舗運用を継続できます。
両面テープ固定による物理的な脱落:不特定多数が利用するドアでは、テープ貼付方式は避けるのが無難です。既存の錠前のネジ穴を活用した固定方式や、メーカー純正の後付けキットを選ぶことで、滑落による締め出しリスクを下げられます。
気象変化への耐性:屋外に面したドアでは、防滴設計(IPX4以上)や広い動作保証温度帯を備えた製品を選定することで、季節を問わず安定した稼働が期待できます。
これら4つのリスクは、いずれも製品選定時の確認項目を押さえておくことで、導入後の運用トラブルを大きく減らすことができます。
異メーカー間のIoT接続規格「Matter」の標準化が進むことで、プッシュプル錠のスマートロック化は今後さらに広がりを見せると考えられます。
解錠と同時に空調や照明、音響機器が自動で起動する「スマート空間オートメーション」も一部の施設で実現しており、無人店舗のエネルギー効率向上にもつながっています。
プッシュプル錠という物理的なハードルは、メーカー純正ユニットの適合確認を事前に行うことで十分に乗り越えられるものであります。
今後の労働力不足社会において、24時間安定稼働する無人・省人化店舗を構築するうえでの重要な検討ポイントになっていくでしょう。
プッシュプル錠は美しいデザインと高い防犯性を両立できる一方、後付けスマートロックとの相性という観点では独自の検討ポイントが存在します。
しかし、メーカー純正の適合ユニットを選定することで、意匠性を損なわずに無人化・省人化を実現することは十分に可能です。
以下のような立場の方には、特に本記事の内容をご検討いただきたいと考えています。
プッシュプル錠を採用した店舗・オフィスの無人化を検討している事業者
賃貸マンション・アパートの共用部やワンルームの鍵管理をデジタル化したい不動産オーナー
予約から決済、入退室までを自動連携させ、フロント業務を省人化したい運営者
Akerunでは、業界最大級のAPI連携により、RESERVAやfixU、リザエンといった予約・基幹システムとスマートロックを連携させ、予約〜決済〜解錠〜退室までを一気通貫で自動化する仕組みをご提供しています。プッシュプル錠を含むドアの適合状況については、事前の確認を通じてご案内が可能です。
フォトシンス(Akerun/Migakun/fixU)のご紹介
提供元である株式会社フォトシンスでは、スマートロック「Akerun」をはじめ、現場オペレーションを担う「Migakun」、店舗の無人化・省人化を支える基幹システム「fixU」を扱っており、「商用施設の無人化をトータルソリューションする」サービスを展開しています。さらに、フォトシンスの強力なパートナーシップを活用することで、システムや運営面だけでなく、無人スタジオの開業に不可欠な「不動産物件」「内装」「業務用機器・什器」を扱う企業のご紹介まで包括的にサポートが可能です。
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